平原毅

平原毅は、1920年10月25日に中国広東省で生まれ、1999年4月24日に亡くなった外交官です。旧制東京高校を経て東京帝国大学に入学し、1941年に高等文官試験外交科に合格しました。1943年に東京帝国大学法学部を卒業後、ハルピンでロシア語研修中に学徒動員で出征しました。

戦後の1946年に外務省に復帰し、外交官としてのキャリアをスタートさせました。在パリユネスコ本部アジア局長、ミラノ総領事、1968年には臨時代理としてベルギー公使を務めました。1969年には外務省経済局次長に就任し、1970年には外務省経済局長として日米繊維交渉にあたりました。

その後、1972年にモロッコ大使、1975年にOECD代表部大使、1981年には英国大使と、要職を歴任しました。1982年にはフランス政府からレジオンドヌール勲章コマンドール章を受章し、勲一等瑞宝章も受章しました。

1985年に外務省を退官し、三菱銀行の顧問に就任しました。1989年には、著書『英国大使の博物誌』で日本エッセイストクラブ賞を受賞し、文筆家としても高い評価を得ました。また、大英博物館の日本専門展示室の増設資金集めにも尽力しました。1999年に叙正三位を授与されました。

平原毅は、外交官として国際舞台で活躍する傍ら、その経験と知識を生かしてエッセイを執筆するなど、多才な人物でした。

著書としては以下のものがあります。

『英国大使の博物誌』(朝日新聞社, 1988年 / 朝日文庫, 1993年)
『英国大使の外交人生』(河出書房新社, 1995年)

また、平原毅の追悼本として、以下の書籍が刊行されています。

* 『スカラベ・サクレ』藤堂事務企画 編（平原喜代夫人あとがき）2000

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