平城遷都1300年記念事業

平城遷都1300年記念事業（平城遷都1300年祭）とは

平城遷都1300年記念事業（へいじょうせんとせんさんびゃくねんきねんじぎょう）は、奈良県奈良市付近に位置する平城京への遷都から2010年（平成22年）に1300周年を迎えたことを記念して開催されたイベントです。「平城遷都1300年祭」とも呼ばれました。主催は奈良県などが設立した平城遷都1300年記念事業協会です。

概要

平城遷都1300年祭は奈良県内各地で開催され、平城宮跡会場がメイン会場となりました。その他、県内各地で特別イベントや特別開帳が「巡る奈良」事業として展開されました。メディアでは「平城遷都1300年祭」と言う場合、平城宮跡会場のみを指すことが多くありました。

目的とテーマ

当初の目的は「美しい日本、はじまりの奈良」を合言葉に、日本の歴史文化を世界に発信し、21世紀の地球社会にふさわしい平和で豊かな文化の創造に貢献することでした。また、東アジアをはじめとする世界各地との交流拡大、活力と創造性に満ちた社会の構築を目指していました。

2008年には合言葉が「日本のはじまり 奈良」に変更され、目的も「日本の歴史・文化が連綿と続いたことを祝い、感謝する」ものへと変更されました。

テーマは「歴史文化の対話と交流」でした。

平城宮跡（メイン）会場

特別史跡である平城宮跡を舞台に、2010年4月24日から11月7日まで開催されました。会場はいくつかのエリアに分かれていました。

A：エントランス会場
シャトルバスやタクシーの発着場、探訪ツアーセンター、出展参加ホールなどがありました。
B：平城京歴史館/遣唐使船復原展示
平城京の歴史を学べる施設と、遣唐使船の復元展示がありました。
C：朱雀門広場
復元された朱雀門を中心に広がるエリアです。
D：交流広場
各団体の出展や休憩所、レストラン、土産物店などが集まるエリアでした。
E：平城宮跡資料館
平城遷都1300年祭に合わせてリニューアルされました。
F：第一次大極殿・前庭
内部も公開されました。
G：南門広場
天平衣装の貸出が行われ、第一次大極殿付近を散策できました。
H：体験学習広場
発掘体験や平城京の仕事体験、天平衣装体験などができました。
I：遺構展示館
リニューアルされ、本物の遺構を見学できました。
J：東院庭園広場
東院庭園前の広場を活用し、春季・秋季フェアが開催されました。

イベント終了後、平城宮跡会場は通常の平城宮跡の営業状態に戻り、平城宮跡資料館、遺構展示館、朱雀門、東院庭園、第一次大極殿などが無料で一般公開されています（定休日あり）。

平城京歴史館は2011年4月23日に再オープンしましたが、2016年6月30日に閉館しました。今後は平城宮跡歴史公園拠点ゾーンの宮跡休憩展望施設として整備される予定です。

奈良県内全域

「巡る奈良」事業として、県内各地で特別イベントや特別開帳が実施されました。

事業規模

当初計画では総事業費300億円、集客目標1500万人でしたが、2008年2月には総事業費100億円程度、集客目標1200～1300万人に縮小されました。

開行事

平城宮跡会場では、様々なイベントが開催されました。

あをによしパレード
衛士隊の再現
春季フェア「花と緑のフェア」
第一次大極殿正殿復原整備工事完成記念式典
平城遷都祭2010
夏季フェア「光と灯りのフェア」
なら燈花会2010
バサラ踊り2010
秋季フェア「平城京フェア」
平城遷都1300年記念祝典
大極殿音絵巻・東院庭園音絵巻
天平茶会
古代行事の再現
平城京カーニバル
* 奈良と世界の交流

その他、奈良マラソン2010、歴史探訪（三都）ウォーク、東アジア未来会議、APEC観光大臣会議など、様々なイベントが開催されました。

マスコットキャラクター「せんとくん」騒動

平城遷都1300年記念事業協会のマスコットキャラクターとして、籔内佐斗司氏がデザインした「せんとくん」が選ばれました。しかし、「可愛くない」「仏を侮辱している」などの批判が相次ぎ、騒動となりました。地元のデザイナーらが「まんとくん」を発表し、南都二六会も独自のキャラクター「なーむくん」を活用するなど、様々な動きがありました。

騒動の結果、「せんとくん」の知名度は上がり、関連グッズのライセンス料は30億円に達しました。2008年10月には「せんとくん」と「なーむくん」の「仲直り」が行われ、その後「まんとくん」も加わり、3キャラクターがそろい踏みしてイベントに出演するなど、話題を呼びました。

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