平山増之助

平山 増之助について

平山増之助（ひらやま ますのすけ）は、1861年に下総国で生まれた明治時代の薬学博士です。彼は日本陸軍の一等薬剤正としても知られ、薬学の発展に多大な影響を与えました。1768年に生まれた彼の父は、下総多古藩の藩医であり、増之助はその次男として育ちました。

1872年、彼は東京・横浜に遊学し、東京大学予備門を経て、1882年に東京大学医学部製薬学科を卒業し、製薬士の称号を得ます。卒業後すぐに日本陸軍剤官副として熊本鎮台病院に勤務することとなります。1888年には熊本薬学専門学校の初代校長に就任しますが、ドイツへ留学するため退任しました。

1889年、増之助はドイツに留学し、近代薬学の学びを深めます。1891年に帰国した後、東京衛戍病院付きの陸軍軍医学校教官として任命され、日清戦争の際には大本営の一員として戦地衛生材料の補給計画に尽力しました。1897年には薬剤監として陸軍省医務局に就任し、同年5月には薬剤監初の衛生会議議員に指名されています。

1900年から始まった「第三改正日本薬局方」調査会では委員として活躍し、1906年には主査委員としてその責任を担います。彼はまた、陸軍内の衛生材料に関する管理の責任を持ち、日露戦争では戦線全体に対して衛生材料を円滑に供給する体制を整え、その功績により1906年に陸軍一等薬剤正（大佐相当）に昇進しました。

彼は1907年に薬学博士の学位を授与され、翌年には薬剤師試験における試験委員にも任命されました。しかし、1909年に病により陸軍を辞し、1910年に富山県立薬学専門学校校長に就任します。病の進行により、彼は1914年に退官し、その年の6月29日に亡くなりました。

平山増之助の業績は、日本陸軍薬局方のみならず日本薬局方の改正にも深く関与しており、晩年には日本薬学会の編纂委員や会員として、ついには会長として日本の薬学の発展に貢献しました。彼の住所は東京市赤坂区青山南町にありました。

栄典と家族

平山増之助はさまざまな栄典を受けています。従五位から始まり、最終的には正五位、従四位まで昇進しました。また、勲章でも功四級金鵄勲章や勲三等旭日中綬章を受賞しています。彼の家族には、父の玄益が含まれ、妻のきいとの間に3人の子どもがいます。

著書

平山増之助は多くの著書を残しています。彼の主な著作には「独墺陸軍薬剤制度一斑」「薬物名彙」「陸軍薬制沿革」などがあり、また多くの論文を日本薬学会の雑誌に寄稿してきました。これらの著作は、彼が近代薬学の発展に寄与した証拠といえるでしょう。

彼の功績は今も日本の薬学の礎として評価されており、数多くの後進も彼の業績を参考にしながら薬学の道を歩んでいます。平山増之助の影響は、彼が活動した時代だけでなく、今日の日本薬学界にも色濃く残っています。

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