平山清次

平山 清次（ひらやま きよつぐ）

1874年10月13日に生まれ、1943年4月8日に亡くなった平山清次は、日本が誇る天文学者であり、特に天体力学と古暦の研究で名を馳せました。仙台市に生まれ育った彼は、後の師である寺尾寿のもとで学びました。その後、東京帝国大学に進学し、理科大学星学科を卒業。彼の学問への情熱は、卒業後も続き、1906年には助教授として大学に戻り、その学術的なキャリアを確立しました。

平山は1911年に理学博士の学位を取得し、1915年にはアメリカのイェール大学に留学しています。研究活動の中で、彼は1918年に小惑星の「族」を発見しました。これは、固有の離心率や軌道傾斜角が類似する小惑星のグループを指し、これを「族」と名付けたことが記録されています。この発見により、同じ母惑星から形成されたと考えられる小惑星の集まりを理解する上での重要な手がかりとなりました。彼の発見当初、小惑星の族は5つしか知られていませんでしたが、1999年には29の族が確認されていることからも、彼の業績がいかに大きかったかが伺えます。

また、平山清次は彼の学問だけでなく、多くの門下生を輩出しました。萩原雄祐、鏑木政岐、広瀬秀雄などの優れた研究者たちは、彼から多くのことを学び、その後の天文学界でも活躍しています。彼自身は、1921年に東京天文台技師としても活動し、様々な研究を行いながら、天文学の発展に寄与しました。さらに、師としてだけでなく研究者としても多くの著書を発表しました。

平山の業績はその教育活動と研究の両方に及び、彼は日本における天文学の礎を築いた一人とされています。彼が著した書籍には、『岩波講座 物理学及び化学・天体力学』や『一般天文学』などがあり、これらは今日でも多くの天文学者や学生に利用されています。

平山には栄典も与えられており、1912年には正六位、1918年には従五位の位が授けられています。彼の名は、月の裏側に存在するクレーター「ヒラヤマ」にも冠されており、これは清次と同姓の天文学者である平山信との二人の名前から取られています。平山信もまた、太陽や小惑星の研究において顕著な業績を残していますが、清次との直接の血縁関係はありません。

彼の墓所は仙台市の泰心院にあり、彼を敬う人々によって今も大切にされています。平山清次の業績は、彼自身の研究のみに留まらず、これからの天文学研究や教育においても大きな影響を与え続けているのです。

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