平成19年台風第4号

平成19年台風第4号（マンニィ）

平成19年台風第4号、通称マンニィは、2007年7月に発生した非常に強い台風です。この台風はカロリン諸島近海で7月9日に発生し、香港で名付けられました。台風はフィリピンの東海上を北西に進みながら、13日には沖縄本島の西側へと接近しました。

上陸とその影響

台風は14日午後2時過ぎ、大隅半島の鹿屋市近くに上陸しました。この時、945hPaという中心気圧は7月の台風としては最低記録となりました。沖縄の那覇市では最大瞬間風速が56.3m/sに達し、7月としては観測史上最高の風速が記録されたこともありました。台風が通過した沖縄や西日本の太平洋側では暴風となり、特に沖縄県内の金武町では最大風速が33m/s、宮崎県日南市でも55.9m/sに達しました。

この台風は、非常に高い波を引き起こし、沖縄本島や瀬戸内海で高潮も発生しました。台風が接近する前、九州では梅雨前線の活動が活発化し、7月の初めには大雨が続いていました。台風が通過する前後の期間中、九州、近畿、東海地方で一連の豪雨が発生し、西日本の太平洋側では記録的な降水量が観測されました。

甚大な被害

台風の影響で発生した大雨により、6名の死者と1名の行方不明者が出ました。さらに、住宅が浸水し、土砂災害や河川の増水が報告されました。突風により72人が負傷し、多くの交通機関が麻痺しました。鉄道や航空機、フェリーの運行にも大きな影響が及び、さまざまなイベントも中止となりました。

特に、県内で水不足が懸念されていた香川県では、この台風による降雨が貯水率を改善し、早明浦ダムはわずか1日で貯水率が100%を超え、取水制限が解除されました。台風の通過直後には、新潟県中越沖地震も発生し、雨により地盤が緩んでいた地域では土砂災害が相次ぎました。

天候の背景

この年の特異な気候条件として、ラニーニャ現象が関与していると言われています。この現象によってフィリピン近海の海水温が平年より高く、台風の発生条件が整っていました。また、通常よりも南に偏った偏西風が強く、冷却効果が薄れたため、台風が発達しやすかったとも考えられています。

長引く梅雨と高温の影響が重なり、台風は強力な勢力を保ったまま本土に接近し、四国や本州南岸を沿った進路を辿りました。このような背景から、平成19年台風第4号は、非常に強い暴風と豪雨をもたらし、日本各地に深刻な影響を与えたのです。

もう一度検索