平成7年梅雨前線豪雨

平成7年梅雨前線豪雨

平成7年梅雨前線豪雨は、1995年（平成7年）の6月末から7月にかけて、梅雨前線の活動が活発になったことで日本列島の広い範囲で発生した一連の豪雨災害です。特に信越地方を中心に甚大な被害をもたらし、その影響は東北地方から九州地方にまで及びました。この豪雨災害は、平成7年7月北信・上越梅雨前線豪雨災害と呼ばれることもあります。

豪雨の経過

この期間、梅雨前線は断続的に活動を強め、各地で記録的な大雨を降らせました。特定の地点では、富山県立山町で1,731ミリメートル、山形県遊佐町鳥海山で970ミリメートル、佐賀県太良町多良岳で948ミリメートルといった、平年の7月の降水量をはるかに超える（150パーセントから250パーセント）非常に多い雨量が観測されました。

特に雨が強まった期間は複数ありました。

7月1日から7月4日にかけて、前線は西日本から東日本にかけて停滞し、九州、四国、近畿地方を中心に300ミリメートルを超える大雨となりました。
7月8日から12日にかけては、前線が日本海から北陸地方にかけて停滞し、その活動が特に活発化しました。このため、北陸地方から東北地方の日本海側を中心に激しい雨が降り、長野県北部、北陸地方、東北地方の日本海側では400ミリメートルを超える雨量を観測した地点もありました。
この時期の集中的な豪雨は、新潟県上越地方や長野県北部で大きな被害を引き起こしました。具体的には、姫川の氾濫、鉄道の鉄橋流失、大規模な土砂崩れなどが発生し、鉄道網が寸断されたほか、多くの家屋が浸水する被害が出ました。この一連の水害は、特に新潟県上越地方、長野県北信地方・大北地域、そして富山県東部において、発生時期にちなんで7.11水害とも呼称されています。
* 7月20日から22日にかけても、前線は山陰沿岸から東日本、さらに関東地方の東海上にかけて停滞しました。この時期は、沖縄の南海上にあった台風3号が東シナ海に進んだ影響で、前線に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動を再び活発にさせました。このため、中国地方、四国地方、近畿地方、そして北陸地方を中心に大雨となり、特に山陰や四国、近畿地方の太平洋側では、一日あたりの降水量が200ミリメートルを超える地点も見られました。

被害状況

一連の平成7年梅雨前線豪雨による被害は広範囲に及びました。人的被害としては、死者・行方不明者が合わせて5人、負傷者が16人に上りました。また、建物の被害も大きく、全壊した家屋が85棟、半壊が126棟、一部損壊が405棟確認されました。さらに、多くの家屋が浸水被害を受け、床上浸水が2,195棟、床下浸水が16,013棟に達するなど、住宅への影響が甚大でした。

この豪雨は、梅雨前線による災害の危険性を改めて示す事例として記憶されています。

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