平戸大橋

平戸大橋

平戸大橋は、長崎県平戸市にある、平戸島と本土を結ぶ吊り橋です。平戸瀬戸と呼ばれる海峡に架かり、地域のシンボルとして親しまれています。

概要

平戸大橋は、1977年（昭和52年）4月4日に平戸大橋有料道路の一部として開通しました。開通当初は有料道路でしたが、2010年（平成22年）4月1日に無料開放され、現在に至ります。橋の全長は665m、中央径間は465.4m、幅は10.7mで、海面からの高さは30mです。建設費は約56億円でした。

建設当時、橋が架かる道路は主要地方道平戸田平線でしたが、建設途中の1975年（昭和50年）4月に国道383号に格上げされました。かつては歩道も設置されていましたが、料金徴収は車両のみを対象としていました。

歴史

平戸大橋の建設は、長崎県の県政振興計画の一環として、1966年（昭和41年）3月に平戸瀬戸架橋調査事業が加えられたことから始まりました。1969年（昭和44年）12月26日には、建設大臣より平戸大橋有料道路の建設が許可されています。

1973年（昭和48年）3月16日には、長崎県知事と田平町長（当時）の間で、「平戸大橋の建設に伴う田平町商工振興に関する協定書」が調印されました。これは、橋の建設によって、平戸口（田平港）を経由していた従来の交通手段が変化し、田平町の商工業に影響が出ることを考慮したものでした。

江戸時代の平戸往還以来、平戸の中心部へのアクセスは、平戸口から船で平戸瀬戸を渡るのが一般的でした。しかし、橋の完成によって、田平町は通過地点となり、乗り換え客を対象とした商店や海運業者は大きな打撃を受ける可能性がありました。そのため、田平町では反対運動が起こり、県や国への陳情・交渉が行われましたが、上記協定書によって一定の配慮がなされることとなり、反対運動は収束に向かいました。

1973年（昭和48年）3月26日に平戸大橋の起工式が行われ、1977年（昭和52年）4月4日に開通式が行われました。1987年（昭和62年）4月4日には、開通10周年を記念してイルミネーションが取り付けられました。

1996年（平成8年）3月11日には、平戸大橋有料道路が維持管理有料制度による有料道路となり、2007年（平成19年）7月19日には、橋の下を通過中の貨物船のクレーンが橋に衝突し、橋が破損する事故が発生しました。この事故により、送電線が切断され、平戸市とその周辺地域で停電が発生しました。

そして、2010年（平成22年）4月1日に、平戸大橋有料道路は無料開放されました。

周辺情報

平戸大橋の本土側入口にある平戸大橋入口交差点は、国道204号に接続する丁字路でしたが、2023年（令和5年）7月12日に長崎県道258号平戸江迎線が接続し、十字路となりました。しかし、十字路化以降、渋滞が頻発するようになり、右折車線の延伸などの対策が検討されています。

周辺には、平戸大橋公園や田平公園などの観光スポットがあります。

要目

延長: 665m（中央径間465.4m）
橋の等級: 一等橋
設計自動車荷重: 20トン
幅員: 10.7m
* 桁下高さ: 30m

平戸大橋は、平戸の歴史と文化を繋ぐ、重要な架け橋として、これからも地域に貢献していくことでしょう。

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