平田俊春

平田俊春（ひらた としはる）は、1911年10月22日に北海道滝川市で生まれ、1994年11月14日に亡くなった日本の歴史学者です。防衛大学校の名誉教授であり、正四位勲三等旭日中綬章を受章しています。

平田は、北海道庁立滝川中学校、富山高等学校を経て、1934年に東京帝国大学文学部国史学科を卒業しました。卒業後は同大学の副手、助手を務めましたが、1940年に退職し、佐賀高等学校の教授に就任しました。しかし、1947年に論文「醜敵撃攘の道」が「教職員の除去、就職禁止及復職等に関する政令」に該当するとされ、同高等学校を免官となりました。その後、1948年から1955年まで大阪府立図書館員を務め、1955年に防衛大学校の教授に就任しました。

1961年には、東京大学より文学博士の学位を授与されました。学位論文は『日本古典の成立の研究』です。1977年に防衛大学校を定年退官し、名誉教授となりました。退官後は、麻布大学や立正大学でも教鞭を執りました。

平田の専門は日本中世史であり、特に南北朝時代や古典文学の研究で多くの業績を残しました。著書には、『吉野時代の研究』、『平安時代の研究』、『元元集の研究』などがあります。また、『日本古典の成立の研究』は、平田の代表的な著作として知られています。その他にも、『北畠親房と吉野朝』、『僧兵と武士』、『日本書紀と建国記念日』、『明治軍隊の建設と軍人勅諭』など、多岐にわたるテーマに関する著作を発表しています。晩年には、『神皇正統記の基礎的研究』、『私撰国史の批判的研究』、『平家物語の批判的研究』などの研究書を刊行しました。

平田の学問的な特徴として、文献資料の厳密な分析に基づいた実証的な研究姿勢が挙げられます。また、歴史的事象を多角的に捉えようとする視点も、平田の研究の大きな特徴と言えるでしょう。平田の研究は、後の歴史研究に大きな影響を与えました。

平田俊春は、日本の歴史学に多大な貢献をした人物として、その業績は今日でも高く評価されています。

主な著書

『吉野時代の研究』 山一書房、1943年
『平安時代の研究』 山一書房、1943年
『元元集の研究』 山一書房、1944年
『最新歴史年表』 日本書院、1954年。朋友出版、1985年ほか
『日本古典の成立の研究』 日本書院、1959年
『北畠親房と吉野朝』 吉野精神普及会、1960年
『僧兵と武士』「日本人のための国史叢書12」日本教文社、1965年
『日本書紀と建国記念日』 アルプス社、1967年
『日本の建国と2月11日』 甲陽書房、1967年
『明治軍隊の建設と軍人勅諭』 アルプス社、1970年
『神皇正統記の基礎的研究』全2冊、雄山閣出版、1979年
『私撰国史の批判的研究』 国書刊行会、1982年
『平家物語の批判的研究』全3冊、国書刊行会、1990年
『南朝史論考』「国学研究叢書」錦正社、1994年
* 白山芳太郎共編『神道大系 論説編　北畠親房』（上下） 神道大系編纂会、1990-92年

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