平良幸市

平良幸市（たいら こういち）

平良幸市は、1909年7月23日に沖縄県中頭郡西原町で生まれ、1982年3月5日に72歳で生涯を閉じました。彼は、教育者、琉球政府及び沖縄県の政治家として、沖縄の発展に大きく貢献しました。

生い立ちと教育

1928年に沖縄師範学校を卒業後、平良は小学校の教師として教鞭を執りました。教育者としての経験は、その後の彼の政治活動にも大きな影響を与えたと考えられます。

戦中から戦後へ

1942年から1944年まで沖縄県庁で行政職に従事し、沖縄戦時には防衛隊に召集され、米軍の捕虜となるという苦難も経験しました。戦後、1947年から1950年まで西原村長を務め、1950年には沖縄社会大衆党に入党し、書記長や委員長を歴任しました。

政治家としてのキャリア

平良は1952年から1972年まで琉球政府立法院議員を務め、1972年には沖縄県議会議員に転身、1976年までその職を全うしました。1976年の沖縄県知事選挙では、屋良朝苗の後継者として立候補し、見事当選。沖縄県知事に就任しました。

沖縄県知事として

知事在任中、平良は屋良朝苗前知事の政策を継承し、沖縄の発展に尽力しました。県主催の全戦没者追悼式では、知事として初めて平和宣言を行い、不戦への強い思いを示しました。また、沖縄の交通事情を改善するため、車の右側通行を本土と同じ左側通行に変更する交通方法に取り組むなど、県民生活の向上に努めました。しかし、交通制度改正に関する予算折衝のため上京した際、脳血栓で倒れ、1978年11月に知事を辞任しました。

その後

平良の私文書は、1995年に梅子夫人によって沖縄県公文書館に寄贈され、2005年から一般公開されています。これにより、彼の業績や人となりが後世に伝えられています。

政策

平良は、米国基地の計画的な返還と跡地利用を推進するため、軍用地転用特措法案要綱を策定しました。また、沖縄の地場産業育成のため、沖縄の産業まつりを企画し、総合交通体系の基本構想を策定、モノレール導入を計画するなど、沖縄の経済発展にも貢献しました。さらに、琉球大学医学部設置促進や離島僻地地域対策など、教育や地域間の格差是正にも尽力しました。


平良幸市は、教育者、政治家として、沖縄の戦後復興と発展に大きく貢献した人物として、後世に語り継がれるべき存在です。

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