平行盛

平行盛（たいら の ゆきもり）

平行盛は、平安時代の末期に活躍した平家一門の武将で、平清盛の次男である平基盛の長男にあたります。彼の生涯や業績、彼にまつわる伝承に焦点を当てます。

生涯

平行盛の父である平基盛は、1162年に24歳という若さで亡くなりました。しかし、平家一門の栄華の影響を受けて、平行盛は叔父である宗盛の知行国において播磨守を任されました。これは治承2年の出来事で、翌年には叔父の重衡の後を受けて左馬頭に任じられ、正五位下に昇進します。

さらに、平行盛は藤原定家に師事し、歌人としてもその名を知られるようになりました。彼は都を落ちる際に自身の詠み草を定家に預け、その包み紙に書かれた和歌は後に新勅撰和歌集に載せられました。このことは、彼の文学的才能も示しています。

平行盛は、治承・寿永の乱において多くの戦いに参加しました。特に、倶利伽羅峠の戦いや藤戸の戦い、屋島の戦いなどにおいて彼の武将としての力量が試されました。藤戸の戦いでは、大将軍として源氏方の佐々木盛綱と対決し、多大な注目を集めました。

元暦2年（1185年）、壇ノ浦の戦いでは、平家が敗北に直面し、平行盛は従兄の資盛や有盛と共に入水自殺をしたという説が強く伝わっていますが、『源平盛衰記』では討死したという説も存在します。興味深いことに、『吾妻鏡』の壇ノ浦の合戦に関する記録には平行盛の名前が記されておらず、後の報告には彼の名が確認されていますが、赤間神宮の七盛塚には彼の名前は見つかりません。

伝承

平行盛に関する伝承としては、息子の信基（時信）が種子島に移住し、種子島氏の祖となったとされることがあります。また、奄美群島に伝わる平家落人伝説によれば、壇ノ浦の戦い後、平行盛は平資盛や平有盛、彼らの配下と共に喜界島へ逃れたとされています。その後、彼は奄美大島の龍郷町戸口に住居を構えたとされ、現在では平行盛神社が存在しています。さらに、彼が島民に文化を教え、島を統治したとも言われています。

終わりに

平行盛は平家一門の中でも特に多才な武将であったことが分かります。彼の人生は戦いの栄光だけでなく、文学的な側面や後世への影響も含まれています。平家物語にもその名が残され、多くの人々に知られています。彼の足跡は、日本の歴史の中で重要な位置を占めています。

もう一度検索