平行親

平行親（たいら の ゆきちか）

生涯

平行親は、平安時代中期に活躍した貴族です。生年は不明ですが、長暦3年（1039年）頃に亡くなったとされています。桓武平氏の流れを汲み、父は武蔵守を務めた平行義です。

後一条天皇の時代には、蔵人所雑色や靫負尉といった役職を歴任し、治安元年（1021年）には六位蔵人に任命されました。その後も、左衛門尉（検非違使尉）を兼任するなど、朝廷内で重要な役割を果たしました。

後朱雀天皇の時代に入ると、少納言や右衛門権佐といった要職を歴任。中宮大進としては、中宮・藤原嫄子に仕えました。その間、位階は正五位下にまで昇進し、朝廷における確固たる地位を築きました。

長暦3年（1039年）頃に亡くなったとされていますが、正確な没日は分かっていません。

官歴

平行親の官歴は以下の通りです。

寛仁3年（1019年） 正月10日：雑色
時期不詳：靫負尉
治安元年（1021年） 8月29日：六位蔵人
時期不詳：左衛門尉
治安3年（1023年） 正月10日：検非違使尉
万寿4年（1027年） 2月20日：勘解由次官
長暦元年（1037年） 7月2日：少納言（見任）。9月27日：中宮大進。10月5日：正五位下・少納言（見任）
長暦2年（1038年） 正月：右衛門権佐
長暦3年（1039年） 日付不詳：卒去

これらの官歴からも、彼が朝廷内で重要な役割を担っていたことが窺えます。

日記『行親記』

平行親は、『行親記』という日記を著していました。残念ながら、現存しているのは長暦元年（1037年）の記述のみです。しかし、この日記は、当時の宮廷生活や儀式、人々の日常を知る上で貴重な資料となっています。

系譜

『系図纂要』によると、平行親の系譜は以下の通りです。

父：平行義
母：不詳
妻：不詳
男子：平定家

人物像

平行親は、後一条天皇と後朱雀天皇の二代にわたり、朝廷で重要な役割を果たしました。蔵人、左衛門尉、少納言、右衛門権佐など、様々な役職を歴任し、その能力の高さを示しました。また、中宮に仕えるなど、宮廷内での信頼も厚かったと考えられます。日記『行親記』からは、彼の几帳面で真面目な人柄が垣間見えます。

まとめ

平行親は、平安時代中期の貴族であり、その生涯は朝廷での活躍に彩られています。彼の残した『行親記』は、当時の社会を知る上で重要な資料であり、彼の存在は、平安時代の歴史を語る上で欠かせないものとなっています。

参考文献

宮崎康充編『検非違使補任 別巻』続群書類従完成会、2006年

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