平野豊次

平野豊次：大日本帝国陸軍の少将、その生涯と自決

平野豊次（ひらの とよじ）は、1890年（明治23年）11月11日に兵庫県で生まれ、1945年（昭和20年）9月20日に自決した、大日本帝国陸軍の軍人です。最終階級は陸軍少将。

軍歴

陸軍士官学校第25期を卒業後、1913年（大正2年）12月25日に歩兵少尉に任官されました。その後、憲兵科に転科し、憲兵としてのキャリアを歩み始めます。

1933年（昭和8年）5月には憲兵司令部第2課長に就任。1936年（昭和11年）8月には久留米憲兵隊長に転任しました。1940年（昭和15年）には陸軍憲兵大佐に進級しています。

中国戦線では、1938年（昭和13年）8月に石家荘憲兵隊長に就任し、1940年（昭和15年）3月9日に同憲兵隊が石門憲兵隊に改称された後も、1941年（昭和16年）10月15日まで隊長を務めました。その後、名古屋憲兵隊長に転じ、1943年（昭和18年）3月1日までその任にありました。

スマトラ島出征と終戦

1943年（昭和18年）には第25軍憲兵隊長としてスマトラ島に出征。ブキティンギに憲兵隊司令部を置き、島内の警備を担当しました。1945年（昭和20年）3月1日に陸軍少将に進級しましたが、終戦後の9月20日に自決しました。

自決の背景

平野豊次の自決の理由は明確にはなっていませんが、以下の要因が複合的に影響したと推測されています。

進駐軍からの出頭命令：終戦後、連合国軍から出頭を命じられたことが、自決の一因となった可能性があります。
連合軍捕虜虐待疑惑：スマトラ島における連合軍捕虜の虐待に関与していた疑いがあり、その責任を問われることを恐れた可能性があります。
スマトラ治安工作の発覚：スマトラ島内で展開していた諜報組織の殲滅を図ったスマトラ治安工作が発覚し、その責任を問われることを恐れた可能性があります。

これらの要因が複合的に作用し、平野豊次は自決という道を選んだと考えられます。

平野豊次の生涯は、大日本帝国陸軍の将校として、激動の時代を駆け抜けた軍人の一人として、その行動や決断は、今日の歴史研究においても重要なテーマとなっています。

参考文献

秦郁彦 編『日本陸海軍総合事典 第2版』東京大学出版会、2005年。ISBN 4130301357。
福川秀樹 編著『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。ISBN 4829502738。
伊藤禎 著『大東亜戦争責任を取って自決した陸軍将官26人列伝』展望社、2018年。ISBN 4885463513。

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