平野長祥

平野長祥：華族貴族院議員の生涯

平野長祥（1870年1月4日-1934年5月7日）は、明治から昭和初期にかけて活躍した政治家で、華族の男爵でした。幼名は亀松丸。大和田原本藩藩主平野長裕の長男として誕生し、父が28歳で亡くなったため、8歳で家督を継承、1884年には男爵位を叙爵されました。

学習院卒業後、東京海上保険や加島銀行に勤務した後、富山護王銀行専務、有隣生命保険取締役といった要職を歴任しました。華族としての地位だけでなく、金融業界での経験も積んだことがわかります。

1897年、貴族院議員に就任。貴族院議員としての活動では、1919年に設立された院内会派「公正会」の幹事長を務めるなど、中心的な役割を果たしました。1925年に一度任期満了で退任するものの、1929年には補欠選挙で再選を果たし、死去まで貴族院議員として活躍しました。公正会に所属し、貴族院において重要な役割を担っていたと考えられます。

平野長祥の家族構成は、母に徳子（山崎治正の長女）、妻に鈴子（酒井忠績の五女）、増子（大関増勤の長女）がおり、長男に平野長克（男爵）がいました。妹は鷲尾花（鷲尾隆聚の養女、三河産治の夫人）、弟に平野鑒吉がいます。

栄典としては、1895年に正五位、1919年には従三位に叙せられています。これらの叙位は、彼の社会的地位や功績を示すものです。

平野長祥の生涯は、華族としての出自、金融業界での経験、そして貴族院議員としての政治活動という、多様な側面を持つものでした。貴族院での活動を通して、当時の政治情勢にも深く関わっていたと考えられます。

参考文献

筒井住蓮編『大日本華族大鑑』都通信社、1911年
人事興信所編『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年
人事興信所編『人事興信録 第8版』人事興信所、1928年
『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成 下巻』霞会館、1996年

これらの参考文献は、平野長祥の生涯や活動を知る上で貴重な資料となっています。貴族院の役割や当時の政治状況を知る上で、重要な情報源と言えるでしょう。平野長祥の生涯を通して、明治から昭和初期の日本の政治や社会構造を理解する上で、重要な手がかりとなるでしょう。

もう一度検索