平野駅 (JR西日本)

平野駅：歴史と現在を繋ぐ、大阪の重要な交通拠点

JR西日本大和路線の平野駅は、大阪市平野区平野元町に位置する、歴史深い駅です。駅番号はJR-Q22。関西本線に所属し、アーバンネットワークにも含まれています。近年の利用客数は約9463人/日と、地域住民の生活に欠かせない存在となっています。

歴史を刻む、平野駅

平野駅の開業は1889年（明治22年）まで遡ります。大阪鉄道湊町駅（現JR難波駅）～柏原駅間の開通に伴い、一般駅として誕生しました。その後、関西鉄道、国有鉄道を経て、1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化によりJR西日本の駅となりました。

駅の歴史は、幾多の変遷を物語ります。1900年には跨線橋が設置され、1931年には片町線貨物支線（城東貨物線）が開通、正覚寺信号場が設置されました。その後、正覚寺信号場は何度か平野駅に統合、再独立を繰り返しています。1963年には貨物営業を廃止し、旅客駅となりました。

1973年には、駅構内で列車脱線転覆事故が発生、この事故はATS-P（自動列車停止装置）の開発につながるなど、鉄道技術の発展に影響を与えました。1984年には橋上駅舎化、1998年には自動改札機が導入されるなど、時代の変化に合わせて駅は進化を続けてきました。近年では、2018年に駅ナンバリングが導入され、2024年にはみどりの券売機プラスの導入、みどりの窓口の閉鎖といった変化がありました。2022年には南口駅前広場の時計台が倒壊するなど、歴史の中に様々な出来事が刻まれています。

駅構造と運行

平野駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線の地上駅です。橋上駅舎を備え、さらに貨物専用線を1線有しています。天王寺駅が管理する直営駅で、「ICOCA」などのICカード乗車券が利用可能です。

大和路線（関西本線）では、快速列車は通過しますが、普通列車が停車します。1番のりばが下り副本線、2番のりばが上り本線、3番のりばが副本線となっています。下り本線はホームのない通過線として存在し、快速列車などが通過します。運行上の線路番号は、1番のりばが「1番線」、通過線が「2番線」、2番のりばが「3番線」、3番のりばが「4番線」とされています。平日朝夕のラッシュ時においては、普通列車の待避が行われます。

かつては、3番のりばが上り本線、2番のりばが上り副本線でしたが、2010年以降の配線変更工事によって現在の配置となりました。この工事には、百済貨物ターミナル駅への貨物列車運行の効率化も含まれています。

貨物支線と百済第一信号場

平野駅には、百済貨物ターミナル駅への関西本線貨物支線（旅客列車なし）が接続しています。この支線と大和路線の合流点には、かつて「百済第一信号場」が存在しました。正式には平野駅構内扱いでしたが、貨物列車の時刻表では採時駅として扱われていました。この信号場は、片町線貨物支線の歴史と深く関わっており、幾度かの改称・統合を経て、2010年の貨物専用線新設により廃止されました。この貨物専用線の新設により、貨物列車と旅客列車の走行線路が分離され、運行効率が向上しました。

駅周辺とアクセス

平野駅周辺には、大阪シティバスの路線が発着するバス停があります。大阪市営地下鉄平野駅とは距離があるため、ご注意ください。

終わりに

平野駅は、長年に渡り地域住民の生活を支え、発展してきた歴史を持つ駅です。今後も、地域の交通の要として、進化を続けていくことでしょう。

もう一度検索