幸袋線

幸袋線（こうぶくろせん）について

幸袋線は、福岡県の小竹町に位置する小竹駅から飯塚市の二瀬駅までを繋いでいた鉄道路線です。この路線は、日本国有鉄道（国鉄）が開設したもので、最後の運行は1969年12月8日でした。赤字83線に指定されるほどの経営難に直面し、その結果として廃止が決定されました。

路線の基本情報

• - 路線距離（営業キロ）: 小竹 - 二瀬間は7.6 km、幸袋 - 伊岐須間の貨物支線は2.5 kmと比較的短いものでした。
• - 駅数: 全体で5駅、小竹駅のほかに4つの駅と、貨物専用駅が1つ、信号場も1つ設けられていました。
• - 軌間: 1067 mmで、全線にわたり非電化の単線でした。
• - 閉塞方式: スタフ閉塞式を採用しており、1つの閉塞区間で全線の運行が行われていました。

運行の実態

幸袋線は全線が非電化路線で、1957年からは気動車による旅客運行が行われました。主に直方機関区が運営を担っていました。昭和42年には直方から上り直通列車が運行されていましたが、次第にその運行本数は減少しました。

廃止に至る経緯

1960年代に入ると、幸袋線は周辺の炭鉱の閉山による利用者の減少と、飯塚市の中心部から外れた位置にあるため地域住民の移動手段としても不便でした。このような背景から、1967年度には110トンの貨物や143人の通勤通学客が利用していたものの、収支は劣悪で収入に対して大幅な赤字が続いていました。

1968年9月、国鉄の諮問委員会はこの路線を赤字83線に指定し、廃止を進める意見書を提出しました。地元の飯塚市でも、この路線の廃止が支持されるようになり、貨物輸送を利用する企業や通勤通学者の家庭を訪問し廃止への同意が得られました。沿線の二瀬地区や幸袋地区では道路整備を求める声が上がり、最終的には市議会が廃止の意見書を採択しました。

年表とその後

幸袋線は1894年に開業し、1930年代にはスチーム動車の運行が開始されました。以降、様々な改正を経て1969年に全線が廃止されました。その後、路線跡のほとんどは道路化され、幸袋駅や二瀬駅の跡地はそれぞれ資材倉庫やガソリンスタンドとして再利用されています。

現在、西鉄バス筑豊が小竹と幸袋を結ぶバス路線を運行しているほか、飯塚市のコミュニティバスも幸袋と二瀬を結んでいます。幸袋線は廃止されましたが、地域の交通網では新たな形での連携が続いています。

まとめ

幸袋線は地域の歴史の中で重要な役割を果たしていましたが、経済的な理由から廃止されました。特に周辺の炭鉱の影響を受けた結果、地域の交通が変化していく様子は、他の地方鉄道にも共通する課題でもあります。この歴史を振り返りながら、今後の地域交通の発展を考えることが重要です。

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