幾春別駅

幾春別駅（廃駅）

幾春別駅は、かつて北海道三笠市幾春別町に位置していた、北海道旅客鉄道（JR北海道）幌内線の駅でした。幌内線（支線）の廃止に伴い、その歴史に幕を閉じました。

歴史

幾春別駅は、幌内太駅（現在の三笠駅）から延伸した官営幌内鉄道幾春別支線上に建設されました。当初、炭鉱からの石炭輸送を目的としており、北有社が鉄道業務を受託し延伸開業しました。開業当初は、空知集治監の囚人が炭鉱労働に従事していたため、駅の利用は限られていました。しかし、集治監の廃止後に一般労働者の採用が増加し、幾春別炭砿や奔別炭砿の開発が進むにつれて、駅周辺の人口が増加し、利用客も増加しました。

特に戦後の増産体制下では、駅の利用客は急増し、1958年には年間乗降客数が746,441人を記録しました。これは、幌内線内で三笠駅に次いで多い数字でした。貨物輸送においては、2つの大手炭鉱を擁していたため、取扱量が同線で最大となり、1963年には発送量が1,316,213トンと幌内駅の2倍以上を記録しました。貨物取扱量の多さから、駅員数も多く、特に戦時中は女性の採用が多く、1942年には70人もの駅員が在籍していました。

2021年現在でも、駅のホームの一部と構内にあったアカダモの木が残っています。

年表

1888年（明治21年）12月10日：官営幌内鉄道の郁春別駅として、北有社により開業。一般駅。
1889年（明治22年）
5月28日：幾春別村が発足。これと前後して幾春別駅に改称。
12月11日：北海道炭礦鉄道に譲渡。
1890年（明治23年）11月21日：構内改良のため休止。
1891年（明治24年）4月：営業再開。
1906年（明治39年）10月1日：北海道炭礦鉄道の鉄道路線国有化により、官設鉄道に移管。
1936年（昭和11年）3月：駅舎改築。
1957年（昭和32年）：北炭幾春別炭砿が閉山。
1959年（昭和34年）：構内改良により、本線側線増設。
1960年（昭和35年）
10月1日：住友石炭鉱業弥生炭砿、奔別炭砿と統合。奔別側からの出炭に切り替え。
10月20日：人道跨線橋設置。
1971年（昭和46年）10月25日：住友石炭鉱業奔別炭砿が閉山。専用線廃止。
1972年（昭和47年）11月1日：三笠駅 - 幌内駅間が旅客営業を廃止し貨物支線となったため、岩見沢駅 - 幾春別駅間が本線となる。
1981年（昭和56年）5月25日：貨物の取り扱いを廃止。
1984年（昭和59年）2月1日：荷物の取り扱いを廃止。業務委託化。
1986年（昭和61年）11月1日：無人駅となる。
1987年（昭和62年）
4月1日：国鉄分割民営化により、JR北海道に継承。
7月13日：幌内線の全線廃止に伴い、廃駅となる。

駅名の由来

駅名は、所在地の地名に由来します。幾春別川の川名から名付けられましたが、川名の由来となったアイヌ語は、駅周辺ではなく下流域の様子から名付けられました。

1882年頃から開拓者が入植し、「郁春別」という当て字が付けられました。その後、駅名となり、上流域の地名として定着しました。1889年5月28日に幾春別村が発足し、駅名も変更されました。

駅構造

廃止時点では、1面1線の単式ホームを持つ無人駅でした。

駅周辺

幾春別炭鉱
幾春別市民センター
幾春別郵便局
* 北海道中央バス「幾春別町」停留所

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）

幌内線

弥生駅 - 幾春別駅

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