広岡謙二

広岡 謙二の生涯と業績

広岡謙二（ひろおか けんじ）は、1901年1月27日に徳島県で生まれ、1995年6月30日に亡くなった日本の内務官僚である。彼のキャリアは、内務省での勤務から始まり、その後、石川県知事および警視総監としての要職を歴任した。彼の人生は多岐にわたり、官僚としての功績のみならず、軍歴や公職からの追放後の活動にも彩られている。

経歴の初期

徳島県出身の広岡は、広岡四郎の二男として生まれた。教育は徳島中学校と第一高等学校で受け、1923年に東京帝国大学文学部に入学したものの、翌年に中退する。1926年には高等試験行政科に合格し、1927年には東北帝国大学法文学部英法科を卒業する。その年に内務省に入省し、山口県の内務部庶務課に配属され、官僚としてのキャリアが始まった。

官僚としての歩み

広岡は、山口県警部の職を兼任しながら、さまざまな役職を歴任していく。山口県商工水産課長や鹿児島県の地方警視、さらには警視庁の特高第一課長など、多くの重要な地位に就いた。1945年には地方総監府の参事官を経て、1946年には石川県知事に就任。その後、1947年には警視総監に任命されたが、しかし翌年には公職追放となってしまう。彼の部下には、後藤田正晴や村井順といった著名な官僚もいた。

国防会議事務局長としての活動

公職追放の後、広岡は商業界に身を投じることとなった。日新鉱業所の理事長や山鹿温泉鉄道の会長を務めた後、1956年から1960年まで国防会議事務局長として活動する。特に、1958年には防衛庁の航空機購入問題に関して証人喚問を受け、河野一郎や川島正次郎とともに証人として出廷した。1963年には海外移住事業団の理事長に就任し、精力的な活動を続けた。

軍歴

広岡は官僚としての活動に加え、陸軍において軍人としても過ごした。在籍した歩兵第12連隊での訓練を受け、1930年には陸軍三等主計に任官、さらに主計少尉に昇進した。1937年から1939年にかけては、中国戦線に出征し、この間に主計中尉へと昇進した経歴も持つ。

家族

広岡には、ロシア政治思想史の専門家で政治学者の甥、廣岡正久が存在するなど、彼の家族もまた多様な分野で活躍している。広岡自体は長い生涯を経て、94歳で幕を閉じた。彼の影響力は日本の官僚制度や地域行政において、今もなお語り継がれている。

参考文献

• - 秦郁彦編『日本近現代人物履歴事典』東京大学出版会、2002年。
• - 歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
• - 秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

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