廣岡正久

廣岡正久

廣岡正久（ひろおか まさひさ、1940年2月17日 - ）は、日本の政治学者であり、ロシア政治思想史を専門としている。京都産業大学名誉教授であり、同大学の理事長や法学部教授を歴任した。

経歴

1940年、大阪府に生まれる。大阪府立茨木高等学校を経て、1963年に大阪外国語大学外国語学部ロシア語科を卒業。その後、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻に進み、1967年に修士課程を修了。1969年には同大学院の博士課程を中退し、後に京都大学から博士（法学）の学位を取得した。学位取得後、京都産業大学法学部の専任講師となり、1972年に助教授、1982年に教授に昇任。長年にわたり、学校法人京都産業大学の理事長および京都産業大学法学部の教授を務め、2010年に定年退職を迎えた。

家族・親族

叔父に広岡謙二がいる。曾祖父以来の正教徒の家庭に生まれ、自身も正教徒であり、聖名はマカリイである。

研究内容

廣岡正久の研究は、ロシア政治思想史を中心に、ソビエト政治、宗教、ロシア・ナショナリズムなど、多岐にわたる分野をカバーしている。特に、ロシア正教と政治の関係、ナショナリズムの政治文化に関する研究は、日本のロシア研究において重要な貢献を果たしている。

著書

廣岡正久は、多数の著書を執筆しており、その一部を以下に示す。

単著

『ソヴィエト政治と宗教―呪縛された社会主義』（1988年、未來社）
『ロシア正教の千年―聖と俗のはざまで』（1993年、NHKブックス、日本放送出版協会）。2020年、講談社学術文庫
『ロシアを読み解く』（1995年、講談社現代新書）
『ロシア・ナショナリズムの政治文化―「双頭の鷲」とイコン』（2000年、創文社）
『キリスト教の歴史〈3〉 東方正教会・東方諸教会 (宗教の世界史)』（2013年、山川出版社）

共著

山内昌之、佐久間邦夫、中井和夫、北川誠一『分裂するソ連――なぜ民族の反乱が起こったか』(NHKブックス)（1990年、日本放送出版協会）
* 木村雅昭『国家と民族を問いなおす』(MINERVA人文・社会科学叢書)（1999年、ミネルヴァ書房）

これらの著書は、ロシア政治や思想に関心を持つ読者にとって貴重な情報源となっている。

廣岡正久は、日本のロシア研究における重要な人物の一人であり、その研究業績は、ロシア政治思想史の理解を深める上で欠かせない。

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