広島県道217号新市停車場線

広島県道217号新市停車場線

広島県道217号新市停車場線（ひろしまけんどう217ごう しんいちていしゃじょうせん）は、広島県福山市内に位置する一般県道です。この路線は、JR西日本福塩線の新市駅と、主要地方道である広島県道26号新市七曲西城線の交差地点を結ぶ極めて短い区間を担っています。特筆すべきはその総延長で、わずか95.5メートルという短さであり、日本国内の県道の中でも特に短い部類に入ります。

概要

本路線は、文字通り新市駅へのアクセス道路として機能しています。起点となるのは福山市新市町大字新市のJR新市駅前であり、終点は同じく福山市新市町大字新市に位置する新市駅前交差点、すなわち広島県道26号新市七曲西城線との交点です。この短距離路線でありながら、その中間地点付近では、福山市と隣接する府中市の市境が路線上を通過するという珍しい特徴を有しています。これは、地域の行政界が必ずしも道路や地形に沿って引かれているわけではないことを示しています。

路線データ

起点: 広島県福山市新市町大字新市（JR西日本福塩線 新市駅前）
終点: 広島県福山市新市町大字新市（新市駅前交差点、広島県道26号新市七曲西城線交点）
* 総延長: 95.5メートル

歴史

本路線の歴史は、高度経済成長期に遡ります。1960年（昭和35年）10月10日、広島県告示第682号によって、当時は広島県道88号新市停車場線として県の路線に認定されました。その後、1972年（昭和47年）11月1日に行われた広島県の県道番号再編に伴い、現在の路線番号である217号に変更されました。さらに、2003年（平成15年）2月3日には、芦品郡新市町が福山市に編入合併されたことで、それまで芦品郡新市町に属していた本路線の東側部分を含む全線が福山市の管轄となりました。

路線状況

新市駅前広場に接続する本路線は、駅舎側から見て西方向へ直接通じる道路がない構造になっています。このため、駅前広場側から進むと、県道26号との交差点に至るのみで、そのまま通過して西へ向かうことはできません。実質的には、駅前広場と県道26号を結ぶ一方通行に近い、あるいは駅前広場の一部のような役割を担っており、通過交通路というよりは、駅へのアクセスに特化した行き止まりに近い構造となっています。

地理

本路線が通過する自治体は、広島県福山市のみです。前述の通り、中間地点では福山市と府中市の境界線が路線上を通過しますが、路線自体が他の自治体を通過することはありません。交差する主要な道路は、終点である新市駅前交差点で接続する広島県道26号新市七曲西城線です。沿線には、路線の名称にもなっているJR西日本福塩線の新市駅があり、地域の交通結節点としての役割を果たしています。また、毎年7月中旬の週末には、沿線地域で知られる「祇園祭」が開催されます。この祭りでは「けんかみこし」と呼ばれる勇壮な神輿行事が行われ、地域内外から多くの人が集まります。

このように、広島県道217号新市停車場線は、短いながらも新市駅への重要なアクセスルートであり、地域の歴史や地理的な特徴を示す興味深い路線と言えます。

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