広島県道281号広停車場線

広島県道281号広停車場線

広島県道281号広停車場線は、広島県呉市内を通る一般県道の一つです。「広停車場線」の名の通り、西日本旅客鉄道（JR西日本）呉線の広駅と関連する路線ですが、その最大の特徴は総延長がわずか37メートルという極端な短さにあります。これは、全国の都道府県道の中でも特に短い路線として知られています。

路線の概要

現在の広島県道281号広停車場線は、広島県呉市広中町に位置しています。起点はJR西日本呉線の広駅前広場にあり、終点は同じく呉市広中町にある広駅前交差点、すなわち国道185号との交点です。このわずか37メートルの短い区間が、現在の県道281号が指定されている範囲となります。実質的には、広駅の正面から国道185号へ出るためのアクセス路として機能しています。

歴史的な背景

現在のような極端に短い路線となる前、広島県道281号は全く異なる姿をしていました。1994年（平成6年）よりも以前は、「広島県道281号警固屋広停車場線」という名称で、現在の呉市警固屋八丁目を起点とし、広駅方面へ至る、より長大な路線でした。この旧路線は、現在の姿からは想像できないほど広範囲を結んでいました。

路線の性格が大きく変わる契機となったのは、主要地方道の再編でした。1993年（平成5年）5月11日、建設省（現在の国土交通省）から、旧県道警固屋広停車場線の一部区間が、新たに主要地方道「呉環状線」の一部として指定されました。具体的には、旧路線の起点であった呉市警固屋八丁目から呉市広本町一丁目に至る区間が、広島県道66号呉環状線として再編されたのです。このうち、呉市阿賀中央二丁目から呉市広本町一丁目にかけての区間は、国道185号と重複する経路となりました。

この主要地方道への再編に伴い、旧広島県道281号警固屋広停車場線は、その大部分が県道66号呉環状線などに編入される形となり、路線が大幅に短縮されることになりました。そして、残された広駅前のごく短い区間のみが、新たな「広島県道281号広停車場線」として、1994年（平成6年）4月1日に広島県告示第406号により改めて認定されたのです。これにより、かつて警固屋方面から広までを結んでいた県道281号は、広駅前から国道185号までのわずか37メートルという、極めて特異な路線へと姿を変えました。

地理

広島県道281号広停車場線が通過する自治体は、全線にわたって広島県呉市のみです。沿線にはJR西日本呉線の広駅があり、この駅の利用者のアクセスを担う役割を持っています。交差する道路は、終点である広駅前交差点で接続する国道185号のみです。この国道185号は、呉市中心部と広地区を結ぶ主要な幹線道路の一つであり、広駅の交通結節点としての機能を支えています。

このように、広島県道281号広停車場線は、その短い延長の中に、過去の主要地方道再編という歴史的な経緯と、現在の地域における役割が凝縮された、非常に興味深い路線と言えるでしょう。その短さから、しばしば珍しい県道として取り上げられることもあります。

関連項目

* 広島県の県道一覧

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