広島県道366号西浦三庄田熊線

広島県道366号西浦三庄田熊線は、広島県尾道市に属する因島（いんのしま）をほぼ一周するルートを描く一般県道です。起点は尾道市因島中庄町の要橋西詰交差点、終点は尾道市因島田熊町の金山フェリー前交差点で、いずれも国道317号に接続しています。その総延長は約24.9キロメートルに及び、島の沿岸部を縫うように進み、因島の主要な集落や地域を結ぶ重要な交通路としての役割を担っています。

この路線は1972年3月21日に広島県の告示によって認定されました。その成立には、かつての広島県道尾道因島線と広島県道西浦三庄土生線が関わっています。主要地方道に指定されていた旧広島県道尾道因島線の一部が国道317号へと昇格する過程で、国道とならなかった区間（主に因島土生町から因島田熊町間）と、広島県道西浦三庄土生線とが統合され、現在の県道366号が誕生しました。路線の認定と同じ年の11月1日には、現在の路線番号へと変更されています。その後の沿線地域の発展に伴い、1991年12月8日には西瀬戸自動車道（瀬戸内しまなみ海道）の一部である生口橋が開通し、路線沿いに因島南インターチェンジ（当初は仮出入口）が設けられました。さらに、2006年1月10日に行政区画の変更があり、因島市が尾道市に編入されたことで、この県道の全区間が尾道市内に収まることとなり、起終点の地名表記もそれに合わせて変更されました。

道路の整備状況については、大部分で整備が完了していますが、因島東岸部を通る区間の一部、特に「因島水軍スカイライン」として知られる地域には、道幅が狭くなっている箇所があり、大型車両の通行が困難な場合があります。この「因島水軍スカイライン」は、因島大浜町から因島三庄町にかけての約11キロメートルほどの区間の通称としても使われています。また、この路線には他の道路との重複区間が存在します。具体的には、因島大浜町内で国道317号、そして自転車・歩行者専用道路である広島県道466号向島因島瀬戸田自転車道線と一時的に経路を共有しています。

路線沿いには、地域の生活を支える様々な施設や、因島の豊かな自然、歴史、文化を感じさせる名所・旧跡・観光地が点在しています。沿線の主要な施設としては、学校（広島県立因島高等学校、広島県立尾道特別支援学校しまなみ分校）、様々な用途の港（重井西港、重井東港、家老渡港、長崎桟橋、土生港、金山港）、工場（日立造船因島工場）、行政・公共機関（因島警察署、因島郵便局、因島消防署、尾道市役所因島総合支所、因島市民会館、芸予文化情報センター・尾道市立因島図書館）などが見られます。道路施設としては、1974年に竣工した長さ156メートルの安郷トンネルのほか、東西川（重井川）、倉崎川（国道317号重複区間内）、大川などに架かる複数の橋梁があります。

観光やレクリエーションの面では、因島運動公園、尾道市因島フラワーセンター、白滝山、大浜アメニティ公園・しまなみビーチ、大浜埼・大浜埼灯台、瀬戸内しまなみ海道（因島大橋・生口橋）へのアクセス、因島大橋記念公園、囲碁の棋聖・本因坊秀策ゆかりの地（本因坊秀策の碑・秀策記念館）、椋の里ゆうあいランド、地蔵鼻、因島公園など、見どころが豊富です。これらの多様なスポットへのアクセス路として、県道366号は重要な役割を果たしており、特に瀬戸内海の景観を望める区間は、訪れる人々に島の魅力を伝えています。

このように、広島県道366号西浦三庄田熊線は、因島を環状に結び、島民の生活、産業、そして観光にとって不可欠な基幹道路の一つとして機能しています。起終点で国道317号に接続することで、因島と島外との連携を円滑にし、地域社会の維持・発展を支え続けています。

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