広島県道39号三次高野線

広島県道39号三次高野線は、日本の中国地方、広島県内に位置する主要地方道の一つです。この路線は、三次市を起点とし、北東方向へ進路を取りながら、庄原市に至る約40キロメートルに及ぶ地域を結ぶ重要な幹線道路としての役割を担っています。

路線概要

本路線の正式名称は「広島県道三十九号三次高野線（ひろしまけんどうさんじゅうきゅうごうみよしたかのせん）」といいます。広島県の三次市から庄原市高野町までを結んでおり、特に山間部を通過するため、地域の生活道路としてはもちろん、観光や物流においても重要な役割を果たしています。

路線の起点は、広島県三次市十日市南1丁目に位置する三次駅前交差点です。この交差点は、国道183号（国道184号重複）、国道375号、広島県道228号三次停車場線が交わる交通の要衝となっています。終点は、庄原市高野町新市にあり、ここでは国道432号、広島県道186号新市三次線、広島県道467号庄原新市線と接続しています。

総延長距離は約39.1キロメートルで、その道のりは標高の低い三次市の中心部から、徐々に高度を上げていきます。路線の最高地点は標高639メートルに達する札が峠です。この峠は庄原市口和町竹地谷と庄原市高野町下門田の境に位置しており、三次高野線が山間部を通過するルートであることを物語っています。

歴史

現在の広島県道39号三次高野線は、その重要性が認められ、主要地方道として位置づけられています。1993年（平成5年）5月11日には、建設省（現在の国土交通省）によって、この県道が主要地方道三次高野線として指定されました。

また、路線のルート変更も行われています。2010年（平成22年）4月8日には、広島県の告示第335号により、三次市十日市南1丁目の三次駅前交差点から三次市三次町の太才町交差点までの区間が路線の起点側として延伸され、現在の形となりました。この延伸により、三次市の中心部における主要な交差点が起点として明確化されました。

路線状況

この県道には、他路線との重複区間がいくつか存在します。三次市の起点である三次駅前交差点から太才町交差点にかけては、国道375号との重複区間となっています。また、三次市三次町の巴橋東詰交差点から太才町交差点の間では、国道433号および国道434号とも重複しています。さらに、三次市君田町東入君から庄原市口和町大月にある大月交差点にかけては、広島県道62号庄原作木線と重複しています。これらの重複区間では、複数の路線名が表示された標識を目にすることになります。

沿線には、休憩施設として利用できる道の駅が二箇所設置されています。一つは三次市君田町にある「道の駅ふぉレスト君田」、もう一つは庄原市高野町に位置する「道の駅たかの」です。これらの道の駅は、長距離ドライブにおける休息ポイントとしてだけでなく、地域の特産品販売や情報提供の拠点としても機能しており、多くのドライバーや観光客に利用されています。

地理的特徴

広島県道39号三次高野線が通過する自治体は、三次市と庄原市の二つの市です。三次市内の平野部から始まり、徐々に山間部へと分け入っていきます。路線の沿線には、一級河川である江の川が流れており、美しい自然景観を楽しみながら走行できる区間もあります。前述の通り、札が峠のような標高の高い地点を通過することから、周囲は豊かな森林に覆われた山岳地帯が広がっています。

この路線は、起点と終点で複数の国道や県道と接続しており、地域間のネットワークを形成しています。三次市内では国道183号、184号、375号、433号、434号や県道228号と、庄原市内では国道432号や県道186号、467号などと交差しており、これらの接続を通じて、周辺地域へのアクセスを可能にしています。

三次高野線は、地域の生活や産業を支える基盤であると同時に、変化に富んだ自然景観を提供する魅力的なルートであり、広島県北部の交通において重要な役割を担っています。

広島県道39号三次高野線