広島県道466号向島因島瀬戸田自転車道線

広島県道466号 向島因島瀬戸田自転車道線

概要

広島県道466号向島因島瀬戸田自転車道線は、広島県尾道市に位置する一般県道です。この路線は、同市向島町津部田を起点とし、瀬戸田町垂水にある広島県と愛媛県の県境に至ります。特に、総排気量125cc以下の自動二輪車、原動機付自転車、小型特殊自動車、自転車、そして歩行者のみが通行できる専用道路として整備されています。愛媛県側にある愛媛県道325号今治大三島自転車道線と一体となって、「瀬戸内しまなみ海道サイクリングロード」と呼ばれる広域自転車道ネットワークの一部を構成しています。

この県道の最大の特徴は、広島県内で唯一「自転車道県道」として認定されている点です。他の中国・四国地方の県には複数の自転車道県道が存在しますが、広島県ではこの路線のみです。また、広島県内および中国地方全体においても、最も長い路線名称を持つ県道としても知られています。その名称は漢字で12文字、平仮名にすると22文字に及びます。路線全体が現在の尾道市の市域内に収まっていることも特徴の一つです。

路線データ

本路線の起点は尾道市向島町津部田で、ここでは国道317号と接続しています。終点は尾道市瀬戸田町垂水の県境地点であり、ここで愛媛県道325号今治大三島自転車道線に接続し、しまなみ海道サイクリングロードが愛媛県側へと続きます。総延長は約37.0kmですが、そのうち約28.2kmが現在供用されています。未開通区間は、尾道市因島大浜町から因島中庄町にかけての区間（国道317号との重複部分）と、尾道市瀬戸田町鹿田原から瀬戸田町福田にかけての区間に存在します。この路線は「瀬戸内海横断自転車道」という通称でも親しまれています。

沿革

本路線は、1980年（昭和55年）7月1日に広島県告示第583号によって県道として認定されました。これは広島県にとって初めての、そして現在まで唯一の自転車道県道の認定でした。その後の主な動きとしては、しまなみ海道を構成する橋梁の開通が挙げられます。1983年（昭和58年）12月4日には因島大橋が開通し、本路線の一部として供用が開始されました。続いて1991年（平成3年）12月8日に生口橋が、そして1999年（平成11年）5月1日には多々羅大橋が開通し、これにより西瀬戸自動車道、通称「瀬戸内しまなみ海道」が全線開通しました。これらの橋は自転車歩行者道も併設しており、本路線の重要な部分を担っています。

行政区域の変更も本路線に影響を与えています。2005年（平成17年）3月28日には、御調郡向島町が尾道市に編入されたことにより、起点の地名表記が変更されました。さらに2006年（平成18年）1月10日には、因島市および豊田郡瀬戸田町が尾道市に編入されたため、これにより本路線の全区間が尾道市の市域内を通ることになりました。

地理

本路線が通過する自治体は、前述のとおり尾道市のみです。

接続道路

主要な接続道路としては、起点で国道317号に接続するほか、尾道市内の様々な県道や国道と接続・重複しています。特に、瀬戸内しまなみ海道（西瀬戸自動車道）とは複数の区間で並走または重複しており、橋梁部などは事実上一体となって利用されています。また、終点では愛媛県道325号に接続し、しまなみ海道サイクリングロードとして愛媛県へと続いていきます。

沿線の主要施設・観光地

本路線の沿線には、サイクリングや観光を楽しむための施設や見どころが点在しています。

瀬戸内しまなみ海道の橋梁：因島大橋、生口橋、多々羅大橋など、尾道と今治を結ぶ美しい橋梁群は、その構造美とともに瀬戸内海の多島美を望む絶好のビュースポットです。
大浜崎灯台：因島にある歴史ある灯台。
大浜アメニティ公園、因島大橋記念公園：因島大橋のたもとに位置し、休憩やレクリエーションに適した公園です。
因島水軍城：村上水軍の歴史に関する資料を展示する資料館です。実際の城郭跡ではありませんが、水軍の歴史を学ぶことができます。
耕三寺：生口島にある、ユニークな建築様式で知られる寺院。未来心の丘など見どころが多いです。
サンセットビーチ：生口島西岸に位置し、美しい夕日を眺めることができるビーチです。
* その他、大浜PA、瀬戸田PAなどの休憩施設も沿線近くにあります。

この自転車道県道は、瀬戸内海の豊かな自然景観と、歴史や文化を感じさせる多くのスポットを結びつけており、国内外から多くのサイクリストや観光客が訪れる人気のルートとなっています。

管理

本路線のうち、橋梁部を除く大部分は広島県東部建設事務所三原支所が管理しています。一方、因島大橋や生口橋、多々羅大橋などの橋梁部分は、本州四国連絡高速道路株式会社（JB本四国）によって管理されています。このように、区間によって管理者が分かれているのが特徴です。

本路線は、しまなみ海道サイクリングロードの中核を成す重要な区間であり、瀬戸内地域の振興に大きく貢献しています。今後の未開通区間の整備や、より安全で快適な利用環境の提供が期待されています。

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