御調郡

御調郡（みつぎぐん）の歴史

御調郡は、かつて広島県に存在した郡です。備後国に属し、現在の三原市、尾道市、府中市、世羅[[郡]]世羅町にまたがる地域を管轄していました。本稿では、御調郡の近世以降の歴史、特に明治時代の郡区町村編制法施行以降の行政区域の変遷について詳細に解説します。

近世以降の沿革

明治維新初期、御調郡の全域は安芸広島藩の領地でした。当時の村落は、旧高旧領取調帳によると、2町97村から構成されていました。これらの村々は、その後、幾度にもわたる合併や市制施行を経て、現在の行政区域へと姿を変えていきます。

明治4年（1871年）の廃藩置県により、広島県の管轄となりました。その後、明治5年（1872年）には宮野浦村が新設され、明治7年（1874年）にはいくつかの村の合併が行われました。さらに、明治9年（1876年）には後地村が三原町に合併されるなど、行政区域の再編は着実に進められていきました。

明治11年（1878年）1[[1月1日]]、郡区町村編制法が広島県で施行され、行政区画としての御調郡が発足。郡役所は尾道に設置されました。この時点から、御調郡の近代的な行政組織が整備され始めます。

明治22年（1889年）4月1日、町村制が施行されました。これにより、尾道町をはじめ、美ノ郷村、木ノ庄村、原田村など多数の町村が誕生します。また、この時、宇津戸村は単独村制で発足し、現在の世羅[[郡]]世羅町に含まれることになります。

その後、明治31年（1898年）には尾道町が市制を施行して尾道市となり、郡から離脱しました。明治32年（1899年）には郡制が施行され、郡の行政運営体制が強化されます。その後も、町制施行や合併などが相次ぎ、行政区域は徐々に変化していきました。

昭和11年（1936年）には、三原町、糸崎町、山中村、西野村などが合併して三原市が発足し、郡から離脱。昭和12年（1937年）には吉和村と栗原町が尾道市に編入されました。

戦後の昭和20年代から昭和30年代にかけては、町村合併が活発化しました。昭和28年（1953年）には八幡村が三原市に編入、昭和29年（1954年）には岩子島村が向島町に編入されるなど、大規模な合併が進行します。さらに、昭和30年（1955年）には、多くの町村が合併して御調町が発足しました。

そして、平成17年（2005年）3月28日、御調町と向島町が尾道市に編入合併。これにより、長い歴史を持つ御調郡は、行政区画としてはその存在を終えました。

まとめ

御調郡の歴史は、明治時代の郡区町村編制法施行から始まり、町村制、市制施行、そして昭和・平成の大合併を経て消滅するまで、実に120年以上にわたる様々な出来事を含んでいます。この間、数多くの合併や編入が行われ、現在の三原市、尾道市、府中市、世羅[[郡]]世羅町の行政区域が形成されたのです。御調郡の歴史を紐解くことは、これらの地域の歴史を知る上で非常に重要な意義を持ちます。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 34 広島県、角川書店、1987年2月1日。ISBN 4040013409。
旧高旧領取調帳データベース

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