広島県道70号広島中島線

広島県道70号広島中島線は、広島市南区を起点とし、安芸郡府中町を経て、広島市安佐北区に至る主要地方道として位置づけられています。この路線は、認定当初は複数の一般県道を連結したものであり、その経路は直線的ではなく、「コの字形」を描いていることが特徴です。

路線概要

起点: 広島県広島市南区
終点: 広島県広島市安佐北区
重要な経過地: 広島県安芸郡府中町
実延長: 19.018キロメートル（2013年 4月1日現在）
路線認定: 1982年（昭和57年）12月6日

この路線は、広島市の中心部から東部、さらに北東部へと大きく迂回する経路をたどります。都市部とその郊外を結ぶ重要な役割を担っています。

歴史

本路線は、1982年（昭和57年）12月6日に広島県告示第1277号により路線認定されました。その後、1993年（平成5年）5月11日には建設省（現在の国土交通省）により主要地方道として指定されています。

過去には、東区内の特定区間（馬木六丁目交差点から下温品交差点までの約4.5キロメートル）において、上り線（JR広島駅方向）で朝の時間帯（午前7時00分から午前7時30分）にバス・タクシー・二輪車を除く車両の通行が禁止される交通規制が実施されていました。しかし、この規制は2014年（平成26年）12月22日をもって解除されています。

路線状況

前述の通り、当県道は複数の旧路線を繋ぎ合わせて指定されたため、南区の起点と安佐北区の終点を直接短絡するルートではありません。全体として「コの字形」の複雑な経路を取っています。

防災上の観点から、本路線の一部区間は緊急輸送道路に指定されています。具体的な指定状況は以下の通りです。

広島市区間: 第1次緊急輸送道路 3.2 km、第2次緊急輸送道路 5.2 km、第3次緊急輸送道路 0.8 km
安芸郡府中町区間: 第1次緊急輸送道路 0.6 km

通称名

区間によっては、地域で親しまれている通称名が付けられています。

二葉通り: 広島市東区愛宕町「愛宕交番前交差点」 - 広島市東区東蟹屋町「東蟹屋町交差点」
あけぼの通り: 広島市東区東蟹屋町「東蟹屋町交差点」 - 広島市東区矢賀新町一丁目「矢賀新町二丁目交差点」
温品通り: 広島市東区温品五丁目「下温品交差点」 - 広島市安佐北区小河原町「緑化センター入口交差点」
白木街道: 広島市安佐北区上深川町「小河原口交差点」 - 広島市安佐北区深川五丁目「中深川交差点」
深川通り: 広島市安佐北区深川五丁目「中深川交差点」 - 広島市安佐北区可部南三丁目「深川入口交差点」

バイパス

温品バイパス（広島市東区）は、かつて一般有料道路区間と一般道路区間を含んでいました。特に、間所出入口から馬木出入口までの区間は一般有料道路「安芸府中道路」として供用されていましたが、現在は広島高速1号線（広島県道472号広島東インター線）に編入されています。温品バイパスのうち、馬木出入口料金所手前（森林公園入口交差点）から馬木六丁目交差点までの一般道路区間のみが、本県道の支線として位置づけられています。

重複区間

本路線は、他の県道と重複する区間が存在します。

現道:
広島県道84号東海田広島線: 広島市東区愛宕町「愛宕交番前交差点」 - 広島市東区矢賀新町一丁目「矢賀新町二丁目交差点」
広島県道152号府中祇園線: 広島市東区矢賀六丁目「鶴江橋西詰交差点」 - 広島市東区温品五丁目「下温品交差点」
広島県道37号広島三次線: 広島市安佐北区上深川町「小河原口交差点」 - 広島市安佐北区深川五丁目「中深川交差点」
支線（上深川支線）:
広島県道37号広島三次線: 広島市安佐北区上深川町「友光神社前交差点」 - 「小河原口交差点」

道路施設

沿線にはいくつかの道路施設がありますが、特にJR広島駅近くに位置する愛宕踏切は、列車の運行頻度が高いため、「開かずの踏切」となる時間帯が多いことで知られています。

通過する自治体

広島県広島市（南区、東区、安佐北区）
広島県安芸郡府中町

沿線施設など

沿道には、JR広島駅やEKICITY HIROSHIMAといった駅周辺施設をはじめ、東区役所、イオンモール広島府中などの行政・商業施設が点在しています。また、JRの鉄道関連施設である芸備線矢賀駅、JR貨物広島車両所、山陽新幹線博多総合車両所広島支所なども近くに位置しています。

さらに、自然を楽しむことができる広島市森林公園や、芸備線（上深川駅、中深川駅、下深川駅）、可部線中島駅といった鉄道駅も沿線に関係しています。

歴史的な側面では、広島県道84号東海田広島線との重複区間では、古代・中世の主要交通路であった中世山陽道が並行しています。

広島県道70号広島中島線は、都市部と郊外を結び、地域の生活や経済活動、さらには災害時における重要な役割を担う主要地方道です。

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