広島駅弁当

広島駅弁当株式会社：広島の味を届ける老舗企業

広島駅弁当株式会社、通称「ひろしま駅弁」は、広島県広島市に本社を置く食品会社です。駅弁の製造販売から始まり、現在ではレストラン経営、企業内食堂の運営請負、ケータリング、コンビニエンスストアやスーパーマーケットへの卸売など、多岐にわたる事業を展開しています。

「地産地消」「From farm to table」へのこだわり

「地産地消」と「From farm to table」を社是に掲げ、地元食材の活用と食の安全・安心に力を入れています。その一環として、上流側の農場経営にも参加し、安芸高田市の第三セクター農場「安芸高田アグリフーズ」の筆頭株主となっています。これは、自社で使用する食材の品質を確保するとともに、地域経済の活性化にも貢献しようという強い意志の表れです。

創業から現在までの歩み

広島駅弁当の歴史は、1901年4月1日に「中島改良軒」として創業した時に遡ります。当時の広島駅では、大阪の水了軒が構内販売を行っていましたが、その事業を引き継ぐ形で誕生しました。

1943年3月1日には、戦時統合により、広島駅構内の3社と海田市駅構内の2社が統合され、広島駅弁当株式会社となりました。統合されたのは、広島駅側の「中島改良軒」「羽田別荘弁当部」「吉本屋」と、海田市駅側の「山岡甲了軒」「大田山陽軒」です。初代社長には中島改良軒の社長が就任したため、社史は中島改良軒を本流として扱っています。

1945年8月6日、原爆により甚大な被害を受けましたが、仮工場で営業を継続し、同年12月には再建新社屋を竣工させるという驚異的な復興を遂げました。

戦後は、売店営業（1949年）、構外売店営業（1994年）、高齢者配食給食事業（1999年）、量販店卸（2000年）、給食事業本格化（2002年）、施設食堂運営事業（2003年）、病院給食事業（2005年）、農場経営（2006年）と、時代に合わせて事業領域を拡大してきました。

多彩な商品とサービス

駅弁

広島駅弁当の看板商品である駅弁は、地元の食材を活かしたバラエティ豊かなラインナップが魅力です。

しゃもじかきめし／瀬戸のカキめし: 冬季限定のカキを使った炊き込みご飯。「しゃもじかきめし」は、ユニークなしゃもじ型の容器が特徴です。
夫婦（みょうと）あなごめし: 穴子を甘辛いタレで煮込み、ご飯の上にたっぷりと載せた定番人気商品です。
頑固広島風お好み焼き: 広島名物のお好み焼きを駅弁として手軽に楽しめる、フジテレビとのタイアップ商品です。
安芸高田のアグリ弁当: 安芸高田市の食材をふんだんに使用した幕の内弁当。地産地消をアピールしています。
もぐり寿司: 広島の郷土料理であるばら寿司を駅弁にしたものです。

その他

駅弁以外にも、一般市販弁当、イベント・会議・法要弁当、広島東洋カープやサンフレッチェ広島といった地元プロスポーツチームを応援する弁当など、幅広いニーズに対応した商品を展開しています。1994年のアジア競技大会広島では、公式サプライヤーとして1日に48000食を供給した実績もあります。

仕出しは「あじろや」という商号で、企業向け・高齢者向けの配食サービス、施設給食・レストラン・ケータリング事業、デパート・スーパー・コンビニ向けの料理卸売り・小売事業（商号は「ボンルパ」）なども行っています。

関連企業

博多寿改良軒: 2010年に駅弁事業から撤退した博多鉄道構内営業の事業を引き継ぐため、2019年に広島駅弁当が設立した子会社です。
* 小郡駅弁当: 2015年に駅弁事業から撤退した同社より調理方法や包装などを引き継ぎ、新山口駅及びSLやまぐち号車内販売の弁当を広島駅弁当が製造しています。

広島駅弁当は、長年の歴史の中で培ってきた技術とノウハウを活かし、これからも広島の食文化を支え、新たな食の可能性を追求し続けていくことでしょう。

もう一度検索