広瀬町 (島根県)

広瀬町について

広瀬町（ひろせまち）は、かつて島根県東部に所在していた町であり、能義郡に属していました。しかし、2004年10月1日に安来市および伯太町と合併し、新たに安来市が誕生したことで、広瀬町はその歴史に幕を下ろしました。

地理

広瀬町は島根県の東の辺りに位置し、全体の面積の約80%は山林によって占められていました。この地域には布部ダムと山佐ダムの2つのダムが存在し、周辺の水資源を支える重要な役割を果たしていました。地形は多様で、羽根ヶ谷山や大辻山といった山々、飯梨川や山佐川といった河川が流れています。

歴史

広瀬町の歴史は深く、さかのぼると佐々木義清が雲隠の守護として富田城に登城したことが起点となります。1610年に堀尾吉晴が松江城を築城する準備を進める中、富田は急速に衰退しましたが、1666年には松平近栄の手によって広瀬藩が設立され、再び城下町として復活を遂げました。しかし折しも、同年の秋には大洪水が発生し、富田の旧市街地は流出しました。その後、新たに富田川の西側に中心街が建設され、広瀬と改称されるに至ったのです。

沿革

• - 1889年4月1日 : 町村制施行に伴い、広瀬町が発足。
• - 1955年1月10日 : 山佐村や比田村、安来市の一部が合併し、新たな広瀬町が設立されました。
• - 1967年8月1日 : 布部村の一部を編入します。
• - 2004年10月1日 : 安来市・伯太町との合併により、広瀬町は消滅し、住所も「能義郡広瀬町」から「安来市広瀬町」に変更されました。読み方も「ひろせまち」から「ひろせちょう」に変わりました。

行政

広瀬町には複数の町長が歴史を通じて務めました。たとえば、後藤弥太郎は昭和30年から38年まで、仙田伴一は昭和38年から41年まで町長を務めました。最終的には、沢田忠明が平成9年から町が消滅するまで町長として在任していました。

教育

広瀬町内にはかつて安来高校の広瀬分校が存在していましたが、1984年に廃校となり、その後は高等学校がありませんでした。中学校は広瀬町立広瀬中学校や比田中学校、布部中学校、山佐中学校などがあり、小学校も同様に多く存在しました。

交通

現在は、広瀬町を直通する鉄道路線はありませんが、最寄りの駅はJR西日本の山陰本線である安来駅です。また、かつては一畑電気鉄道広瀬線が存在していましたが、現在は廃止されています。道路においては、国道432号や島根県道45号安来木次線などが通っています。

名所・旧跡・観光スポット

広瀬町には観光名所もいくつかあります。代表的な場所には月山富田城跡、富田八幡宮、加納美術館などがあります。また、地域で開催される広瀬の祇園祭は多くの人々に親しまれています。

広瀬町の歴史や文化、地理的特徴は、地域の成り立ちや発展に大きな影響を与えましたが、2004年の合併により新たな市制へと移行することになりました。

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