広野三郎

広野三郎

広野三郎（ひろの さぶろう）は、1897年4月10日、東京に生まれた歌人です。彼は、昭和の時代に活躍した詩人であり、日本の歌壇において重要な役割を果たしました。廣野は國學院大學を卒業し、1915年に歌誌『アララギ』に入会。ここで彼は、島木赤彦や斎藤茂吉といった著名な歌人に師事し、彼らから多くの影響を受けました。

彼の職歴としては、1926年から1930年にかけて東京帝国大学の史料編纂所で業務を嘱託され、その後、史料編纂官補に任命されました。1946年には事務官に就任し、1954年からは東京大学史料編纂所の助手として教鞭を取ります。さらに、1958年からは講師職に就き、1962年にその職を退官するまで多くの後進を育成しました。

歌人としての活動も盛んであり、彼は1950年に歌誌『白埴』を創刊しました。この雑誌は、彼の詩的表現を広める場として機能し、多くの作品が掲載されました。また、1953年には『草苑』と合同して『久木』を立ち上げ、主宰を務めました。彼の運営したこの誌は、後輩歌人たちに大きな影響を与え、彼の歌人的な姿勢を反映したものでした。

広野の著書は多様で、代表的な歌集には『白埴 歌集』（1940年、岩波書店 アララギ叢書）、『鳴瀬 歌集』（1948年、古今書院 アララギ叢書）、『あかつき 歌集』（1954年、第二書房）、『泉 歌集』（1958年、新星書房 久木叢書）などがあります。これらの歌集には、彼の独自の風景描写や人間観察が詰まっており、多くの読者に親しまれました。

また、共編した作品にも注目が集まります。特に『万葉集』（1925年、藤沢古実との共編、古今書院）は、彼の文学的な関心や知識の深さをうかがわせる重要な業績です。

さらに、広野三郎に関する情報は、デジタル版日本人名大事典や『日本近代文学大事典』（講談社、1984年）、東京大学史料編纂所の資料集などで参照することができます。

彼の生涯と業績は、日本の詩歌の発展とその文化的背景を理解する上で大変重要です。広野三郎は、個性的な詩風と深い洞察を持った歌人として、今も多くの人々に影響を与え続けています。

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