庄内町 (愛知県)

庄内町（しょうないちょう）とは

庄内町は、かつて愛知県西春日井郡に存在した町です。現在の名古屋市西区の北部に位置し、庄内川の南岸に広がっていました。町名は、この地域を流れる庄内川にちなんで名付けられました。現在、「庄内町」という地名は存在しませんが、愛知県道63号名古屋江南線の一部が「庄内通」という名称で残っており、かつての庄内町の歴史を今に伝えています。

歴史

庄内町の歴史は、江戸時代末期まで遡ります。この地域は、尾張国春日井郡に属し、尾張藩や今尾藩の領地となっていました。

1880年（明治13年）2月5日、春日井郡は東春日井郡と西春日井郡に分割され、この地域は西春日井郡に編入されました。

1889年（明治22年）10月1日、新福寺村、堀越村、稲生村、名塚村が合併し、庄内村が誕生しました。旧村は大字として引き継がれました。

1926年（大正15年）4月1日、庄内村は町制を施行し、庄内町となりました。

しかし、庄内町の歴史は長くは続きませんでした。1930年（昭和5年）6月15日には、庄内町の一部（旧堀越村）が名古屋市西区に編入され、さらに1937年（昭和12年）3月1日には、残りの全域が名古屋市西区に編入され、庄内町は消滅しました。

教育

庄内町には、以下のような教育機関がありました。

名塚尋常小学校
1873年（明治6年）2月、「義校」として創設。その後、「培根学校」「新福学校」「時雍学校」「尋常小学校名塚学校」と名称を変え、1892年（明治25年）4月に「名塚尋常小学校」となりました。
1894年（明治27年）11月に庄内尋常小学校が新設されると、児童が分離し、1901年（明治34年）3月に廃校となりました。
庄内尋常小学校（現・名古屋市立庄内小学校）
1894年（明治27年）11月、名塚尋常小学校から分離して新設されました。
当初は稲生、名塚、新福寺を学区としていましたが、1901年（明治34年）3月の名塚尋常小学校の廃校に伴い、堀越の児童も受け入れるようになりました。
庄内尋常高等小学校
1909年（明治42年）3月31日、庄内尋常小学校に併設されました。
庄内農業補習学校
1918年（大正7年）9月、設立されました。3年間の就業期間で、庄内尋常小学校の教員が夜間に授業を行っていました。男子のみが対象でした。

庄内村青年会
1916年（大正5年）10月、各地域にあった青年会を統合し設立されました。講演会や撃剣会の実施、村内の神社での記念植樹などを行っていました。

神社・仏閣

庄内町には、地域の人々から信仰を集める伊奴神社があります。

伊奴神社

交通

道路

西枇杷島郡道西枇杷島川中線
西枇杷島町から名古屋市枇杷島町までを結ぶ郡道で、庄内町の大字堀越、新福寺、名塚を経由していました。一部区間は国道12号線と重複していました。

鉄道

庄内町が存在した時代には鉄道は開通していませんでしたが、1984年（昭和59年）に開業した名古屋市営地下鉄鶴舞線の庄内通駅が旧庄内町域にあります。

警察

1908年（明治41年）11月、庄内村大字稲生に江川町警察署管轄の庄内村巡査駐在所が設置され、村内を管轄していました。

まとめ

庄内町は、短い歴史の中で様々な変遷を遂げた町でした。現在は名古屋市西区の一部となっていますが、その歴史は、地名や学校、神社などにその名残を留めています。この地域は、歴史と文化が息づく場所として、今もなお大切にされています。

参考資料

愛知県西春日井郡 編『愛知県西春日井郡誌』愛知県西春日井郡、1923年1月1日。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年。ISBN 4-04-001230-5。

関連項目

愛知県の廃止市町村一覧

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