伊奴神社

伊奴神社

伊奴神社（いぬじんじゃ）は、愛知県名古屋市西区稲生町に位置する神社で、地域の人々に古くから親しまれています。かつては郷社として、この地域の信仰の中心でした。

特徴

神社の名前である「伊奴（いぬ）」にちなんで、本殿前には愛らしい犬の石像が置かれています。この石像は、戌年生まれの人々や愛犬家にとって特別な存在で、特に戌年の元日には多くの参拝客で賑わいます。

由緒

伊奴神社の創建は古く、天武天皇の時代である白鳳2年（673年）に、この地で収穫された稲を皇室に献上した際に、社殿が建立されたと伝えられています。また、延喜式神名帳にも「尾張国山田郡伊奴神社」として記載されている由緒ある神社です。江戸時代には「熊野権現」とも呼ばれていましたが、村名である稲生から、神名帳にある伊奴神社に比定されたと考えられています。

尾張国神名帳には「従三位上 伊奴天神」として記載されています。

祭神

伊奴神社の主な祭神は以下の通りです。

主神
素盞嗚尊（すさのおのみこと）
大年神（おおとしのかみ）
伊奴姫神（いぬひめのかみ）
相殿
稚産霊神
倉稲魂神
保食神
伊弉冉神
早玉男神
事解男神
天照大御神
熊野神

また、境内には以下の境内神社があります。

白龍社
玉主稲荷社
春日社
天神社
日枝社（日吉社）
大杉社
八百萬社

神事

伊奴神社では、年間を通して様々な神事が執り行われています。

左義長：1月の第二日曜日
玉主稲荷大祭：3月の第一日曜日
茅輪神事：7月下旬の土・日曜日
例大祭：10月の第二日曜日
人形供養祭：12月の第一日曜日

その他

伊奴神社の境内は、1980年（昭和55年）に名古屋市緑地保全地区に指定されており、樹齢800年を超える椎の木をはじめとする、多くの樹木に囲まれています。豊かな自然の中で、静かで落ち着いた雰囲気を楽しむことができます。

また、大相撲名古屋場所の際には伊勢ヶ濱部屋が宿舎として利用しており、境内の土俵で力士たちが稽古をする様子を見ることができます。

伊奴神社は、安産祈願、子授け、夫婦円満、家内安全などのご利益があるとされ、多くの人々が訪れます。特に安産祈祷を受けた後には、境内の犬石像の前で安産を願う姿が見られます。

交通アクセス

伊奴神社へのアクセスは以下の通りです。

名古屋市営地下鉄鶴舞線：庄内通駅下車
名古屋市営バス：
名駅13・栄11・栄13「江向」バス停下車
栄13「稲生町」バス停下車

脚注

参考文献
西春日井郡 編『西春日井郡誌』西春日井郡、1923年3月。
山田寂雀、西岡寿一『西区の歴史』愛知県郷土資料刊行会、1983年。ISBN 4-87161-011-X。
「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 23 愛知県』角川書店、1989年3月8日。ISBN 4-04-001230-5。
有限会社平凡社地方資料センター 編『愛知県の地名 日本歴史地名大系 23』平凡社、1993年1月11日。ISBN 4-582-49023-9。

関連項目

干支
愛知県の神社一覧

外部リンク

* 公式ウェブサイト

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