底ぬけ脱線ゲーム

底ぬけ脱線ゲーム：日本テレビを代表する人気バラエティ番組

『底ぬけ脱線ゲーム』は、日本テレビ系列で1963年6月2日から1973年1月25日まで放送された、ロート製薬提供のバラエティ番組です。1959年4月に終了した『ほろにがショー 何でもやりまショー』の後継番組としてスタートし、長年にわたって多くの視聴者を魅了しました。

体を張ったゲームとユニークな企画

番組の最大の特徴は、毎回著名なタレントや俳優が「底ぬけチーム」と「脱線チーム」の2チームに分かれ、体を張った様々なゲームで対戦する点です。司会は日本テレビアナウンサーの金原二郎が務め、「週に一度の脱線タイム、さぁ底ぬけにお楽しみいただきましょう。ロート製薬提供、底ぬけ脱線ゲーム！」というお馴染みのアナウンスで番組がスタートしました。

ゲームには「背部の女」「強尻（ゴーケツ）」など、当時の流行語やヒット曲をもじったユニークな名前が付けられており、その斬新な発想も番組の人気を支えました。ゲーム中にはロート製薬の製品が小道具として使用され、番組終了後には金原による同社のインフォマーシャルが放送されるなど、巧みな商品宣伝も展開されていました。

勝利チームには賞品はありませんでしたが、敗退チームは必ず罰ゲームを受けることになっていました。同点の場合は観客を巻き込んだ「同点決勝」が行われ、最後までハラハラドキドキの展開が繰り広げられました。

また、「がまん特集」「プール大会」「運動会特集」といった企画回も人気を博し、1970年8月27日放送の「夏休みチビッコ大会」では、一般の子供たちが芸能人出演者と一緒にゲームに参加するなど、幅広い視聴者層を取り込む工夫も凝らされていました。年末には「家庭ゲーム特集」を放送し、視聴者からの要望に応える形で、家庭でも楽しめるゲームを紹介していました。

1971年6月3日には「8周年記念特集」が放送され、「八紙無ン特集」や「水中ばれー」といった、番組の歴史を象徴するようなゲームが披露されました。この回は、後年の懐かしのテレビ番組特集でもたびたび取り上げられるなど、高い人気を誇っていました。

収録とリハーサル

番組の収録は主に後楽園ホールで行われましたが、企画によっては地方の公会堂やプールなどでも収録が行われました。巨人軍大会の際は後楽園球場を使用し、当時のスコアボードを使って点数を表示するなど、徹底した演出がなされていました。

リハーサルは綿密に行われましたが、出演者には代役が立てられ、本人はリハーサル風景を見学させられるという、独特のシステムが採用されていました。本番で発表されるゲーム内容の一部は、リハーサルでは明かされませんでした。

1963年8月5日、後楽園ホールのテレビ放送設備がカラー化されたことに伴い、同月11日放送分からカラー放送となりました。当初は白黒放送でしたが、時代に合わせて技術革新を取り入れる柔軟さも持ち合わせていました。

『ほろにがショー 何でもやりまショー』からの発展

『底ぬけ脱線ゲーム』は、1953年から1959年まで放送されていた『ほろにがショー 何でもやりまショー』を発展させた番組でした。読売新聞にも番組告知が掲載されるなど、放送開始前から注目を集めていました。キャッチフレーズは「こんな番組 見たことない…」であり、その言葉通り、斬新な企画と演出で多くの視聴者を驚かせました。

復活版とスペシャル番組

番組は1973年に一度終了した後、『新・底ぬけ脱線ゲーム』（1974年～1977年）として復活。司会は金原の後輩である徳光和夫が務め、勝利チームにスポンサーから賞品が贈られるなど、オリジナル版と異なる点もありました。

1983年には『大爆笑!120分デスマッチ!!底ぬけ脱線ゲームスペシャル』が放送され、1993年には『電脳底ぬけ脱線ゲーム』として再び復活を果たしました。後者はセガ・エンタープライゼス提供で、スタジオ収録、非公開形式、テレビゲーム要素を取り入れた、新しい試みが見られました。

主な出演者

長年にわたる放送期間、様々なタレント、俳優、プロレスラー、お笑い芸人などが出演しました。初期には柳澤愼一、田子ノ浦忠雄、5代目三遊亭圓楽らがレギュラー出演。復活版にはサンダー杉山、ザ・デストロイヤー、林家こん平、笑福亭鶴瓶らが参加しました。スペシャル番組にも、著名な芸能人やプロレスラーらが多数出演し、番組を盛り上げていました。

『底ぬけ脱線ゲーム』は、時代を超えて愛されるバラエティ番組として、日本のテレビ史に大きな足跡を残しました。体を張ったゲーム、ユニークな企画、個性豊かな出演者、そしてその後の復活版やスペシャル番組を含めた歴史は、日本のエンターテインメントの進化を象徴するものです。

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