度 (角度)

度の概要

度（ど、英: arc degree）は、円周を360等分した弧の中心に対する角度を表す単位です。この定義は法的にも確認されており、日本の計量法体系においても明記されています。また、度は非SI単位ではありますが、国際単位系（SI）においては他の単位と併用可能な非SI単位として位置づけられています。

定義と記号

度は定義上、周角が360度であり、直角は90度とされています。さらに、地球は1時間で15度、1分で15分、1秒で15秒回転します。特に重要なのは、緯度1度に相当する平均的な子午線の弧長が約111.133 kmであるという点です。

度の単位記号は「°」で、分は「′」、秒は「″」と表記されます。書き方としては、数値と単位記号の間にスペースを入れず、例えば「32.5°」と記述します。このような記法は他の単位（たとえば温度の「°C」）とは異なり、特にこの角度の単位にのみ適用される例外です。

使用規則

日本の計量法では、度、分、秒にSI接頭語を付加することは禁止されています。ただし、天文学など特定の分野では、秒に限りSI接頭語を使用することが認められています。

1度未満の表現には2つの方法があります。1つ目は、十進法で小数を用いる方法で、40°11′15″の代わりに40.1875度と記載することが推奨されています。2つ目は、六十進法によって表現する方法であり、この場合は「度分秒」と呼ばれ、1度は60分、1分は60秒に細分化されます。

数学における利用

数学の分野では、360という数の除数の多さがそれほど重視されないため、度はあまり使用され続けていません。代わりに、弧度法に基づいたラジアンが好まれます。360°は2πラジアンに相当し、1°は約0.0174533ラジアン、逆に1ラジアンは約57.29578度として defined されています。

歴史的背景

360という数が選ばれた理由の一つは、古代の暦法において1年の日数が360日だったことに由来しています。この仕組みは、星の日周運動を観測しやすくする方向に応用され、後に幾何学における角度の測定が行われました。特に、ギリシャの哲学者タレスはこの概念の普及に寄与したと考えられています。

日本における「度」の概念は江戸時代に広まりました。初めて文献で「度」が用いられたのは池田好運の「元和航海書」においてで、ここで円周が360度と記されています。また、江戸時代の数学者や地図製作者たちによってもこの考え方が受け入れられ、発展していきました。

まとめ

度は、円の中心からの角度を表す単位として広く使われており、測地学や天文学において位置情報を表すための重要な役割を果たしています。また、非SI単位ではあるものの、日常生活における角度の表現として非常に便利な単位です。

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