康智英

康智英（カン・ジヨン、朝鮮語: 강지영）は、1956年生まれの北朝鮮の政治家であり、宗教関係者です。彼女は、最高人民会議常任委員会委員、朝鮮宗教人協議会会長、朝鮮赤十字会中央委員会委員長、朝鮮カトリック協会中央委員会委員長など、数々の重要な役職を歴任してきました。また、祖国統一汎民族連合北側議長や祖国平和統一委員会書記局長など、南北関係に関わる役職も務めてきました。

生い立ちと初期の活動

康智英の出生地は明らかになっていません。金策工業総合大学在学中の1988年には、南北学生会談の北側準備委員会副委員長に就任し、南側の林秀卿（イム・スギョン）全国大学生代表者協議会代表に同行したことで知られています。この出来事は、彼女が早くから南北関係に関わっていたことを示しています。

宗教関係の活動

その後、康智英は朝鮮宗教人協議会で常務委員を務め、2002年には朝鮮カトリック協会中央委員会副委員長に就任しました。2004年には、6.15共同宣言実践のための南北海外共同行事北側準備委員会委員となり、南北間の協力に関与しました。2015年には、朝鮮宗教人協議会会長、朝鮮カトリック協会中央委員会委員長に選出され、宗教界でのリーダーシップを発揮しました。

その他の役職

2009年には、海外同胞事業局局長に就任し、2012年まで務めました。また、2010年には祖国統一汎民族連合北側議長、2011年には祖国平和統一委員会書記局長に就任しましたが、これも2012年に解任されています。2013年に予定されていた南北当局間会談では、北朝鮮代表として提示されましたが、韓国側は彼女の役職が次官級であることに対し、北朝鮮側のカウンターパートのレベルが低いとして不満を示したとされています。

近年の活動

2014年に最高人民会議第13期代議員に選出され、政治家としての地位を確立しました。2016年には、朝鮮半島の平和と自主統一のための北、南、海外の諸政党、団体、個別人士の連席会議北側準備委員会副委員長に就任し、平和統一に向けた活動を推進しました。同年、朝鮮赤十字会中央委員会委員長にも就任し、人道支援の分野でも活躍しています。

2018年には、金英哲（キム・ヨンチョル）朝鮮労働党統一戦線部部長がマイク・ポンペオ米国務長官と会談するため訪米した際に同行するなど、外交面でも重要な役割を果たしました。2019年2月には、金剛山観光地区で南北代表団と共に「日の出」を見るなどの民間交流にも参加し、南北間の和解と協力を目指す姿勢を示しました。同年4月には、最高人民会議第14期第1回会議で最高人民会議常任委員会委員に選出され、政治家としての活動をさらに強化しています。2019年8月にはドイツで開催された世界宗教者平和会議にも参加し、国際的な宗教交流にも貢献しています。

康智英は、北朝鮮において政治、宗教、南北関係、国際交流など、多岐にわたる分野で重要な役割を果たしている人物です。彼女の活動は、北朝鮮の政策や国際関係における動向を理解する上で重要な手がかりとなります。

参考資料

* 북한정보포털

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