里道

里道（りどう）とは

里道とは、道路法が適用されない法定外公共物である道路を指します。公図上では赤色で着色されていたことから、「赤線（あかせん）」や「赤道（あかみち、あかどう）」とも呼ばれます。里道は公道に限られ、私道は含まれません。

里道の歴史

明治時代

1876年（明治9年）の太政官達第60号により、道路は重要度に応じて国道、県道、里道の3つに分類されました。この時、里道は地域における生活道路としての役割を担っていました。

大正時代

1919年（大正8年）に旧道路法が施行された際、すべての道路は国の所有となり、府県道は府県知事、市町村道は市町村長が管理することになりました。この時、主要な里道は市町村道として指定されましたが、それ以外の里道は道路法の適用外となり、国有地のまま残されました。

その後の里道

市町村道に指定されなかった里道は、主に小さな路地や農道、山道などでした。これらの里道は、公図上には赤線で示されているものの、実質的な維持管理は周辺住民に任され、放置されている状態でした。長らく、里道の所有者は国、管理は市町村が行うという状況が続いていました。

地方分権一括法

2000年（平成12年）4月1日に施行された地方分権一括法により、里道の状況は大きく変わりました。この法律に基づき、2005年（平成17年）3月31日までに市町村から譲与の申請があった里道は、道路として機能しているとみなされ、市町村に無償で譲渡されることになりました。これにより、道路として機能している里道の所有と管理は市町村が継続して行うことになりました。

用途廃止となった里道

一方、新道の開通や草木の繁茂、土砂崩れなどによって通行不能となった里道や、長年のうちに山林や田畑、宅地の一部となってしまった里道も存在します。2005年（平成17年）3月末までに市町村から譲与の申請がなかった里道は、道路として機能していないとみなされ、同年4月1日に一括して用途廃止となり、管理は財務省（各地方財務局）に移管されました。用途廃止された里道は、原則として国による維持管理は行われず、事実上は周辺住民に任されたままとなっています。

現在の里道

用途廃止となった里道は、登記上は国有財産となっています。しかし、それを事実上占有している者が財産管理上必要とする場合には、国から払い下げを受けるか、長年の占有状態に基づいて取得時効を主張することが可能となっています。

里道に関連する事項

法定外公共物

里道は、道路法のような法律の適用を受けない法定外公共物の一つです。法定外公共物には、里道の他に水路などがあります。

道路

里道は、道路の一種ですが、道路法が適用される道路とは異なり、管理や維持の方法が異なります。

廃道

里道の中には、新道の建設や自然災害などにより使われなくなった廃道となっているものもあります。

結論

里道は、日本の道路網の一部として歴史的に重要な役割を果たしてきました。その管理や利用状況は、時代や社会の変化に伴い変遷を遂げてきました。現在では、その多くが市町村に移管され管理されていますが、一部は国有財産として残っており、その活用や管理方法が課題となっています。

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