廬山寺通

廬山寺通の概要

廬山寺通（ろざんじどおり）は、京都市内に位置する特徴的な東西の通りです。この通りは、豊臣秀吉による京都の改造によって、寺町通の広小路上に移転した廬山寺（廬山天台講寺）の旧地の近くを通ることから名付けられました。通りの始まりは大宮通からで、西へ向かって北区平野の木辻通までの約2キロメートルの距離を持つのが特徴です。

この通りは、近世初期までには西陣地区の東西の街路として発展し、大宮通から千本通までを結ぶ重要な役割を果たしてきました。昭和初期には、寺之内通に繋がる道路の整備が行われ、この通りもその際に拡築され、現在の形となりました。これにより、廬山寺通はただの通りではなく、地域の街区の骨格を形作る重要な部分となっています。

道路の特徴

廬山寺通は主に一方通行の狭い道路で構成され、周辺は住宅街が広がっています。しかし、紙屋川から木辻通の区間では2車線が設けられ、西大路通から木辻通までは京都市バスの運行も行われているため、公共交通機関としての役割も果たしています。

また、通りの一筋南には、特別なイベントに関連した通りが存在します。大宮通から称念寺までの道は、今宮祭において剣鉾が出される町が並んでいるため、通称「鉾参通」と呼ばれています。これは地域の文化や伝統との密接な関わりを示しています。

歴史的背景

廬山寺通の歴史は応仁・文明の乱後に遡ります。当時、織工たちが西陣地区に帰参し、街の発展が始まりました。17世紀初頭には、大宮通を中心に北および西に広がり、通りとはあらたな街区の形成に寄与しました。近世初期の「洛中絵図」には、すでに大宮通から千本通に至る通りの様子が描かれており、1690年刊の『京町鑑』にもそのような文言が見られます。これにより、廬山寺通は近世においても重要な街路でした。

紙屋川以西の部分は元々寺之内通の一部でしたが、1928年に改称・編入され、都市整備事業によって再整備されました。特に千本通以西の柏野学区を通る区間においては、通り名も改称され、都市計画道路の設定が行われましたが、計画は未だに実現に至っていません。

沿道の主要施設

廬山寺通には引接寺（千本ゑんま堂）や敷地神社（わら天神）などの名所があります。敷地神社は廬山寺通の北一筋に位置しているため、その点に注意が必要です。また、これらの施設は地域の文化や歴史を示す重要なスポットとなっています。

参考文献

陽早の研究者たちによる資料も多く、杉田博明著『廬山寺通』、佐和隆研編『京都大事典』、林屋辰三郎編『京都市の地名』などが参考とされています。これらの文献は、廬山寺通の歴史や枝葉にわたる情報を深める手助けとなるでしょう。

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