廬山寺

廬山寺

廬山寺は、京都市上京区にある天台圓淨宗の本山の寺院です。正式名称は廬山天台講寺と称し、比叡山延暦寺の中興の祖である良源（元三大師）によって創建されました。紫式部の邸宅跡としても知られています。

歴史

廬山寺の起源は、平安時代の天慶元年（938年）に良源によって創建された與願金剛院に遡ります。その後、寛元3年（1245年）に住心房覚瑜が廬山寺を建立し、南北朝時代に応安元年（1368年）に両寺が合併しました。この合併により、廬山寺は天台宗、密教、律宗、浄土教の四宗兼学道場となりました。

織田信長の比叡山焼き討ちの際には焼失を免れましたが、豊臣秀吉の寺町建設により現在地に移転しました。その後、度重なる火災に見舞われましたが、現在の本堂は寛政6年（1794年）に仙洞御所の一部を移築したものです。

明治維新までは宮中の仏事を司る御黒戸四箇院の一つでしたが、明治時代に天台宗の寺院となり、後に天台圓淨宗として独立しました。1965年には、考古学者の角田文衞によって紫式部の邸宅跡とされ、源氏庭が築かれました。

境内

本堂: 寛政6年（1794年）に仙洞御所の一部を移築したもので、本尊の阿弥陀三尊が安置されています。
尊牌殿: 本堂と同様に仙洞御所からの移築と伝えられています。
源氏庭: 『源氏物語』の世界を表現した庭園で、白砂と苔、キキョウが美しい景観を作り出しています。
元三大師堂: 元三大師像を安置するお堂で、鬼大師像は迫力があります。洛陽三十三所観音霊場第32番札所です。
御土居: 豊臣秀吉によって築かれた史跡で、境内東端に残っています。

文化財

廬山寺には、多くの文化財が所蔵されています。

国宝: 慈恵大師筆遺告
重要文化財: 絹本著色普賢十羅刹女像、木造阿弥陀如来及び両脇侍坐像、木造如意輪観音半跏像、後伏見天皇宸翰願文、正親町天皇宸翰女房奉書、選択本願念仏集、慈恵大師廿六箇条起請
京都府指定有形文化財: 木造兜跋毘沙門天立像
国指定史跡: 御土居

行事

廬山寺では、様々な行事が行われています。

追儺式鬼法楽（鬼おどり）: 節分に行われる行事で、鬼に紅白の餅と豆を投げて悪霊退散を祈願します。

所在地・アクセス

所在地：京都市上京区寺町通広小路上ル
アクセス：京都市バス・京都バス 府立医大病院前バス停 徒歩3分、京阪鴨東線出町柳駅・神宮丸太町駅 徒歩10分

拝観案内

拝観時間：9:00 - 16:00
拝観料：大人500円、小人400円

周辺情報

廬山寺の周辺には、梨木神社、京都御苑、清浄華院などの観光スポットがあります。

廬山寺は、歴史と文化に彩られた魅力的な寺院です。ぜひ一度訪れてみてください。紫式部に思いを馳せながら、美しい庭園を散策し、貴重な文化財を鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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