大宮通

大宮通：古都の脈打つ南北動脈

大宮通は、京都市を南北に貫く主要道路のひとつです。その歴史は古く、平安京の大宮大路（東大宮大路）に相当します。北は鹿野下公園付近から、南は竹田駅付近までを伸び、全長は相当の長さを誇ります。しかし、その道筋は歴史的経緯から、均一ではありません。

道筋と歴史的変遷

大宮通は、二条城によって竹屋町通と押小路通の間で分断されています。また、江戸時代には所司代屋敷の拡張により、丸太町通と竹屋町通の間が狭くなっている箇所も見られます。

特に、紫野地域以北は昭和初期の土地区画整理事業によって現在の姿となりました。事業前は、紫野地域で行き止まり、その先は「大宮頭」と呼ばれた場所で、大徳寺通とほぼ重なる小路が洛外へと続いていたと言われています。そのため、地元では延伸された区間を「新大宮通」、元の道を「旧大宮通」と呼び分けている場合もあります。さらに、一条通と下長者町通の間には、大宮通の東側を南北に走る別ルートも「旧大宮通」と呼ばれているなど、歴史的経緯による複雑な状況が見られます。

大正時代には京都市電今出川線が整備され、今出川通との交差点付近に今出川大宮駅が開設されました。また、今出川通以北では堀川通の整備（昭和30年代）まで市バスが運行していました。

上立売通から中立売通周辺は西陣織機業地の中心部で、かつては糸屋、機屋、織屋などが軒を連ねていました。「千両ヶ辻」の碑が残る今出川大宮交差点東南角は、江戸時代には西陣織産業が盛んで、一日で千両もの取引があったと伝えられています。現在では当時の面影は薄れましたが、新旧の建物が混在する中に、老舗商店が点在しています。

道路幅は、場所によって異なります。北山通から北大路通間は南行き一方通行、喜多川通から横神明通間、中立売通から丸太町通間は北行き一方通行となっています。一方、四条通から九条通、そして十条通以南は4車線の幹線道路ですが、それ以外の区間は狭く、一方通行となっている部分もあります。

四条大宮から北への幹線道路は、後院通を通じて千本三条へとつながっています。これは、かつての京都市電大宮線と千本線の経路の名残です（1972年廃止）。七条通から九条通までは京都府道114号七条大宮四ツ塚線に指定されています。さらに近年では、久世橋通より南、竹田駅付近まで延長され、鴨川を渡る大宮大橋を経て油小路通と合流し、京都府道68号南インター竹田線と接続しています。

「大宮」という名称の由来

「大宮」という地名は、皇居を意味すると考えられており、大内裏の東側に位置したことから名付けられたという説が一般的です。大内裏の西側には「西大宮大路」が存在しました。しかし、大徳寺通（旧大宮通）沿いの北区紫竹下竹殿町には、式内社「久我神社」があり、その周辺地域は古くから「大宮郷」と呼ばれていました。ここは賀茂氏が最初に居を構えた場所とも言われ、上賀茂神社の旧地という説もあり、平安京の建設以前から「大宮」という地名が存在していた可能性があります。そのため、大宮通、ひいては平安京の大宮大路の命名にも、この古い地名が影響した可能性が考えられます。平安京建設時の基準線となった可能性すら否定できません。

沿道の主な施設

大宮通沿道には、数多くの歴史的建造物や商業施設が点在しています。

竹屋町通以北

御薗橋801商店街
新大宮商店街
大徳寺
京都地域医療学際研究所附属病院
雲林院
興聖寺
妙蓮寺
京都市立西陣中央小学校
西陣
京都西陣公共職業安定所

押小路通以南

二条城
京都市営地下鉄東西線 二条城前駅
神泉苑
二条陣屋跡（小川家住宅）
三条商店街
阪急京都本線 大宮駅
京福電鉄 四条大宮駅
壬生寺
京都市立郁文中学校
西本願寺
龍谷大学付属平安中学校・高等学校
梅小路公園
龍谷大学（大宮学舎）
東寺
大宮大橋
友禅美術館

交差する道路

大宮通は、多くの道路と交差しています。主なものとしては以下の通りです。

竹屋町通以北

御薗橋通
玄以通
北山通
今宮通
北大路通
建勲通
鞍馬口通
寺之内通
喜多川通
今出川通
中立売通
下長者町通
下立売通
丸太町通
竹屋町通

押小路通以南

押小路通
御池通
三条通

（特記がないものは市道）

大宮通は、歴史と現代が交錯する、京都の象徴的な道路です。その多様な顔を見せる様子は、古都の魅力を存分に伝えています。

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