廴部

廴部（いんぶ）について

廴部は、漢字の構成要素である部首の一つで、康熙字典では214部首の中で54番目に位置しています。この部首は、主に「廴」を含む漢字をグループとしてまとめています。興味深いことに、単独で使用されることのない「廴」という文字は、漢字の分類を目的に作成されたものです。

「廴」は、その形状から判断して道路を象徴していると考えられています。具体的には、一般的に「彳」の変形形態とされています。しかし、「廷」や「建」のように、他の漢字から派生した部分として「廴」を持つ漢字も存在します。このように、廴部にはさまざまな起源を持つ漢字が含まれています。

また、書体によっては「廴」の3画目に筆圧による押さえが見られることもあります。これにより、視覚的に異なる表現が生まれることがあります。

部首の通称

廴部は、さまざまな言語や文化によって異なる通称を持っています。

• - 日本語では「えんにょう」や「いんにょう」、または「けんにょう」と呼ばれることがあります。これらの名称は「延」や「建」との関連から名付けられています。
• - 中国語では「建字底」と呼ばれ、その意味は「建」の底部を指すものです。
• - 韓国語では「민책받침부（min chaek batchim bu）」という表現があり、「飾りのない辶の部首」として理解されています。
• - 英語では「Radical long stride」という名称が使われることがあります。

音訓情報

廴部に関連する音および訓に関する情報は以下の通りです。

• - 日本語音韻：イン（漢音）
• - 中国語ピンイン：yǐn、注音：ㄧㄣˇ、ウェード式：yin 3
• - 朝鮮語訓音：끌（kkeul、引く）、イン（in）

例字

廴部に分類される漢字の具体例には、以下のようなものがあります：

• - 廷（廷に関する意味で用いられる）
• - 延（時間の延長を示す際に使われる）
• - 廸（通常は古い漢字として見られる）
• - 廻（回ることに関連する意味を持つ）
• - 建（建物を意味する場合に使われる）
• - 廼（通常は古典的な文章で目にする）

これらの漢字は、廴部の特性を反映しつつ、それぞれ異なる意味や用途を持っています。廴部は漢字の形状や音韻の理解において、重要な役割を果たしており、漢字の学習や解釈において避けて通れない部分です。

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