延安府

延安府は、中国にかつて存在した府であり、現在の陝西省延安市一帯に位置していました。その歴史は宋代に始まり、民国初年まで続きました。

北宋時代

1089年（元祐4年）、北宋により延州が延安府に昇格しました。この時、延安府は永興軍路に属し、膚施、延川、延長、門山、臨真、甘泉、敷政の7県を管轄していました。

金代

金代になると、延安府は鄜延路に属するようになり、管轄する範囲も変化しました。具体的には、膚施、延川、延長、門山、臨真、甘泉、敷政の7県に加え、永平、万安、徳安、招安、永安の5つの寨、そして安定と安寨の2つの堡、さらに楽盤鎮が管轄下に置かれました。

元代

元代には、延安府は延安路と改称されました。この延安路は陝西等処行中書省に属し、直轄の県として膚施、安塞、甘泉、安定、保安、宜川、延川、延長の8県が置かれました。また、鄜州に属する洛川、中部、宜君の3県、綏徳州に属する青澗、米脂の2県、葭州に属する呉堡、神木、府谷の3県も管轄下にありました。合計で8県3州州領8県を統治していました。

明代

明代になると、1369年（洪武2年）に延安路は再び延安府と改称されました。延安府は陝西省に属し、直轄の県として膚施、安塞、甘泉、安定、保安、宜川、延川、延長、青澗の9県が置かれました。また、鄜州に属する洛川、中部、宜君の3県、綏徳州に属する米脂県、葭州に属する呉堡、神木、府谷の3県も管轄していました。合計で3州16県を統治していました。

清代

清代において、延安府は陝西省に属し、膚施、安塞、甘泉、安定、保安、宜川、延川、延長、定辺、靖辺の10県を管轄しました。

中華民国

1913年、中華民国成立に伴い、延安府は廃止され、その歴史に幕を閉じました。

延安府は、宋代から民国初頭まで、各王朝の変遷とともにその管轄範囲や名称を変えながらも、地域の行政の中心として重要な役割を果たし続けた歴史的な府でした。その存在は、現在の陝西省延安市一帯の歴史を理解する上で欠かせない要素となっています。

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