建武 (漢)

建武（けんぶ）

建武は、後[[漢]]の初代皇帝である光武帝・劉秀（りゅうしゅう）の治世において使用された最初の元号です。西暦25年から56年までの期間を指します。後[[漢]]王朝の再興を象徴する元号として、歴史的に重要な意味を持っています。

元号の由来と変遷

建武は、光武帝が更始政権から独立し、皇帝として即位した際に定められました。光武帝は、前[[漢]]が滅亡した後、各地で群雄が割拠する混乱期を収拾し、漢王朝を再興しました。この再興を記念して、新しい元号「建武」が制定されたのです。建武32年（西暦56年）には、光武帝の治世後半を象徴する「建武中元」へと改元されました。

建武年間の主な出来事

建武年間には、後[[漢]]王朝の基盤を確立するための重要な出来事が数多くありました。

元年（25年）: 光武帝が鄗（こう）で即位し、建武と改元。洛陽に遷都し、後[[漢]]王朝を正式に樹立。
3年（27年）: 宜陽の戦いで赤眉軍を降伏させ、混乱を収束。赤眉軍の指導者であった劉盆子から伝国璽を献上される。
5年（29年）: 斉を平定し、後[[漢]]の勢力を拡大。
9年（33年）: 隴西（ろうせい）地方の軍閥であった隗囂（かいぎょう）が病死。後[[漢]]の統一事業における障害が一つ取り除かれる。
10年（34年）: 隗囂の子である隗純（かいじゅん）が漢に降伏し、隴西地方が後[[漢]]の支配下に入る。
12年（36年）: 公孫述（こうそんじゅつ）を討伐し、蜀を平定。これにより、後[[漢]]の中国統一がほぼ完了。
16年（40年）: 交阯郡（こうしぐん、現在のベトナム北部）で、徴姉妹（ちょうしまい）の反乱が発生。
17年（41年）: 光武帝が皇后・郭氏（かくし）を廃し、陰氏（いんし）を新たな皇后とする。政治的な理由によるものと考えられる。
18年（42年）: 馬援（ばえん）を派遣し、交阯の反乱を鎮圧するための遠征を開始。
19年（43年）: 交阯の反乱を完全に鎮圧し、後[[漢]]の支配を確立。また、陰氏の子である劉陽（りゅうよう、後の明帝）を皇太子とする。
23年（47年）: 匈奴が南北に分裂し、後[[漢]]の北方外交に影響を与える。
26年（50年）: 南匈奴の日逐王比（じちくおうひ）が漢に帰順し、北方における安定化が進む。

日本における建武

後醍醐天皇が鎌倉幕府を倒し、天皇親政を再興した際、この「建武」の元号を使用しました（1334年～1336年）。この背景には、光武帝が漢王朝を再興した故事に倣い、自らの政権を正当化しようとする意図があったと考えられます。

後醍醐天皇の「建武」の元号は、南北朝時代において南朝と北朝で期間が異なっており、南朝は1334年から1336年、北朝は1334年から1338年までとされています。南北朝時代という激動の時代を象徴する元号の一つです。

関連項目

* 他王朝の建武（曖昧さ回避）


このように、「建武」という元号は、中国と日本において、それぞれの歴史における重要な転換期を象徴するものとして記憶されています。

もう一度検索