式場壮吉

式場壮吉の生涯と業績

式場壮吉（しきば そうきち、1939年2月9日 - 2016年5月17日）は、日本の実業家であると同時に著名な自動車評論家、元レーシングドライバーでした。彼は千葉県市川市に生まれ、精神病理学者の式場隆三郎を叔父に持つという家庭環境の中で育ちました。大学時代から、モータースポーツや自動車に深い興味を抱き、同じ志を持つ仲間たちと交流することが多くありました。

生い立ちとレースデビュー

成城大学の文芸学部に在学中の頃、輸入車を運転しながら日本のモータースポーツシーンに関心を持ち始めます。彼は、自動車業界の先駆者たちと親友となり、特に高速レースの世界に深く入っていきました。1961年に大学を卒業すると、出版社の仕事を始める傍ら、1963年第1回日本グランプリに出場。そこで、トヨタとのワークスドライバー契約を結び、コロナで優勝を果たしました。

第2回日本グランプリでもクラウンを運転し、見事に3位を獲得。GT-IIクラスでは、個人エントリーのポルシェ・904で優勝し、自身のレースキャリアに輝かしい成果を残しました。これには、予選中のクラッシュからの復帰やスカイラインGTに対する先行など、数々の伝説的なエピソードが含まれています。

引退とその後の活動

1965年には、イギリスのジム・ラッセル・レーシングスクールに入学後、日本GPに参加するためにレーシングカーであるロータス・エランを獲得しましたが、大会の中止を受けてレーサーとしてのキャリアを終えることになります。その後、仲間たちと『シキバエンタープライズ』を設立し、自動車関連アクセサリーのブランド『レーシングメイト (RACING MATE)』を立ち上げました。彼らのデザインは当時の若者たちにとってのファッションアイコンとして広まりました。

しかし、1960年代末にブランドは倒産し、その後は市川市国府台の精神科病院の経営に参加。専務理事を経て、最終的に理事長として病院を運営することとなりました。

晩年と私生活

レース引退後も、自動車に対する深い情熱を持ち続けた壮吉は、フェラーリやベントレーなど多くの名車を愛用し、1990年代にはブガッティのアドバイザーとしても活躍しました。また、自動車雑誌に頻繁に登場し、クラシックカーレースなどにも参加し続けました。晩年には、台湾の歌手・欧陽菲菲と共にイベントに出席し、多方面で活動を続けましたが、2016年には肝不全のため都内の病院でこの世を去りました。享年77歳。

家族と愛車

式場壮吉は1978年に再婚し、妻の欧陽菲菲とは多くのメディアで注目されました。彼の愛車遍歴には、ポルシェ・356やフェラーリ・F40などの名車が含まれており、それぞれ彼の自動車への情熱を物語っています。特に、ポルシェ・904での日本グランプリ参戦は彼のキャリアの中で特筆すべき出来事でした。

彼の影響力は、モータースポーツはもちろんのこと日本の自動車文化においても大きく、今もなお多くのファンに愛されています。

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