式守伊三郎

式守伊三郎とは

式守伊三郎（しきもり いさぶろう）は、伝統ある大相撲の行司名跡の一つです。この名跡は1987年の2代目の死去を以って事実上途絶え、その後は襲名されていません。

発祥の背景

式守伊三郎という名跡の誕生には、特別な意味があります。1927年、出羽海部屋に所属していた式守義（初代式守伊三郎、後の24代木村庄之助）は、この名を名乗るようになりました。その背景には、前年の1926年に発生した悲劇的な事故がありました。当時、式守義は幕内力士の福栁伊三郎と共に巡業先でふぐ料理を楽しんでいたのですが、未熟な調理が原因で食中毒が発生しました。その結果、福栁は命を落とし、式守義自身も中毒から一命を取り留めました。

この苦しい経験を経て、式守義は亡くなった福栁伊三郎を偲ぶため、彼の名を冠した『式守伊三郎』を名乗ることにしたのです。この名が大相撲の歴史に名を刻むことになるとは、この時誰も予想していなかったでしょう。

歴代の行司

初代式守伊三郎

初代として名乗った式守義は、出羽海部屋に所属し、多くの試合を裁くことでその名声を得ていきました。彼は1927年の名跡取得から1987年の死去まで、長い間この地位に君臨しました。特に彼の行司としての技量は高く評価され、後の24代木村庄之助としても名を知られています。

2代目式守伊三郎

2代目の式守伊三郎は、時津風部屋に所属し、初代の後を継いでこの名を名乗りましたが、1987年の死去により名跡は途絶えることとなりました。彼の行司としての経験やスキルは、確かなものがあったとされていますが、その短い活動期間は惜しまれるばかりです。

まとめ

式守伊三郎という行司名跡は、深い歴史と重みを持っています。初代の名乗りや、その背後にある悲しい出来事は、最近の大相撲における行司の役割や重要性を再認識させるものでもあります。今日では、名跡の不在が惜しまれると同時に、伝統を守りつつ新しい行司たちがその時代を築いていくことが期待されています。今後も式守伊三郎の名のもとに、多くの歩みが続いていくことを願っています。

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