式守伊之助 (34代)

34代式守伊之助について

34代式守伊之助（さんじゅうよんだい しきもり いのすけ、本名: 棚田好男）は、1941年2月10日生まれの大相撲の立行司です。2006年1月から2月にかけての短い期間ではありましたが、立行司として多くのファンに支持されていました。残念ながら、2022年1月4日に肝臓がんで80歳で他界しました。

生い立ちとキャリアの始まり

伊之助は北海道赤平市の出身で、身長は174cmです。1955年9月場所で初土俵を踏み、行司名としては木村光彦を名乗りました。しかし、譲り名がなかったため、以降45年間もこの名前のままで活動を続けました。1977年に十両格に昇格し、1989年には幕内格に昇格、その後2001年に三役格に昇進し、2代木村光之助に改名しました。

立行司としての時代

式守伊之助という名での在位は、2006年1月から翌月までのほんのわずかな期間でしたが、特にその間の出来事は注目に値します。2005年11月に31代木村庄之助が停年に達することで、次の立行司に誰がなるかがわからない状況にありました。33代式守伊之助と光之助は共に昇格が期待されましたが、33代は32代の木村庄之助を襲名し、光之助は34代式守伊之助となりました。

この伊之助としての在位は短命でしたが、在位期間を考慮すると、14代伊之助の在位0場所に比べても30代式守伊之助の2場所より短い記録となりました。それでも、評議員資格があり続けたため、伊之助としての評価は続きました。彼の最後の裁きは2006年2月5日の日本大相撲トーナメントで行われました。

特徴的なスタイル

伊之助の掛け声は特に目を引くもので、「待ったなし！」や「なかった！なかった！なかったぁ！」という独特の声域があり、特に甲高い声が特徴でした。彼の掛け声は、しばしば彼の名前と同じくらい語られることがありました。彼のスタイルは観客にとって非常に記憶に残るものでした。

最後の日々と偉業

2006年1月の場所では、優勝決定戦の裁きも経験しており、最終的には関脇白鵬と大関琴欧州の一戦を裁きました。その後、彼は2月9日に停年退職しました。立行司としての任務を完了することなく、他の横綱戦を裁くことができなかったのは、彼がこの役職を果たした理由の一つです。

伊之助はまた、事務能力においても非常に優れており、業務的な側面でも評価されていました。二子山部屋の師匠である元大関貴ノ花からも高い信頼を寄せられていたといいます。彼の存在は、部屋にとって安定感をもたらしていたのでしょう。

結論

34代式守伊之助は、大相撲界でのユニークな存在であり、その影響は今でも感じられます。肝臓がんという病気によって80歳でこの世を去りましたが、彼の行司としての業績や記憶は、後世に刻まれ続けることでしょう。

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