式守伊之助 (43代)

43代 式守伊之助について



43代式守伊之助(しきもりいのすけ)は、本名を森田善光といい、1963年9月12日神奈川県横浜市で生まれました。春日野部屋に所属する大[[相撲]]の立[[行司]]です。血液型はA型。

人物



幼少期は漫画やバスケットボール観戦を好んでいましたが、祖父の影響で相撲に興味を持つようになりました。小学生の頃から背が低く、スポーツでは体格差に苦労した経験から、「あの王・長嶋でさえも退場にできる」という行司の存在に憧れを抱き、中学時代から行司を志すようになります。特に、第27回NHK紅白歌合戦で26代木村庄之助の姿を見たことが、行司への道を決定づけました。高校を中退後、春日野部屋に入門し、1979年9月場所に初土俵を踏みます。師匠は同じ部屋の6代木村庄二郎(のち26代式守伊之助)と14代木村庄太郎(のち27代式守伊之助)です。

1995年3月場所には、立[[行司]]に昇格した同部屋の29代式守伊之助が使用していた名跡を継ぎ、4代木村善之輔を襲名しました。2006年3月場所で幕内行司に昇進し、2007年1月場所には27代式守伊之助立[[行司]]に昇格するまで名乗っていた名跡を継ぎ、15代木村庄太郎を襲名しました。2015年5月場所には、三役格[[行司]]に昇進。木村庄太郎の名跡で三役格に昇進したのは、1984年1月場所に昇進した14代庄太郎(のちの27代式守伊之助)以来、31年ぶりの快挙でした。

長らく場内アナウンスも担当しており、2018年7月場所の土俵祭では、立[[行司]]が空位であったため祭主を務めました。これは、1993年11月場所以降、立[[行司]]が不在となった場合に三役格[[行司]]が祭主を務めるという前例にならったものです。

大[[相撲]]令和元年5月場所では、横綱白鵬の休場により横綱鶴竜が単独で土俵入りを行うことになり、式守伊之助のみが15日間担当することになったため、三役格[[行司]]の仕事がなくなるのを防ぐために、幕内土俵入りの先導を複数回務めました。

大[[相撲]]令和4年11月場所千秋楽優勝決定戦では、行司を務めました。控え行司式守伊之助です。

2024年9月26日の日本相撲協会理事会において、2025年1月場所番付発表日である2024年12月23日付で立[[行司]]に昇進し、43代式守伊之助を襲名することが承認されました。

行司



式守伊之助は、過去の取組にとらわれず、常に新鮮な気持ちで次の取組に臨むことを重視しています。一つの取組が終われば、その内容は忘れ、次の取組に集中することで、力士の名前を間違えるなどのミスを防ぐことを心がけています。差し違えについては、「人間には間違いもある」と割り切り、気持ちを切り替えています。

また、行司の装束は、2日続けて同じものを着用しないようにしています。東西を間違えないように、また貴賓席に尻を向けることがないように、正面を避けて行動し、常に正面を意識しています。取組で最も注視するのは力士の立ち合いであり、手を付くかどうかよりも、力士の呼吸が合っているかを重視します。ただし、手を付く動作すらない場合は待ったをかけます。近年では、両手を付いていない場合にも待ったをかけるようになっています。

行司の仕事は、「負けを発見する」ことだと考え、力士の廻しよりも下を重点的に見て、手や足が土俵についたか、土俵から出たかを見極めることに集中しています。

略歴



1979年9月場所 - 木村春男として初土俵
1980年1月場所 - 序ノ口格として番付に初掲載
1980年3月場所 - 木村春夫に改名
1982年1月場所 - 序二段格に昇格
1984年1月場所 - 三段目格に昇格
1989年1月場所 - 幕下格に昇格
1994年1月場所 - 十両格に昇格
1995年3月場所 - 4代木村善之輔を襲名
2006年3月場所 - 幕内格に昇格
2007年1月場所 - 15代木村庄太郎を襲名
2015年5月場所 - 三役格に昇格
2025年1月場所 - 立[[行司]]に昇格、43代式守伊之助を襲名

その他



先代の木村庄太郎が27代式守伊之助を襲名して以来、14年ぶりに木村庄太郎の名跡を襲名しました。現役の十両格以上の行司の中では、唯一の瓢箪形軍配の使い手です。また、庄太郎代々受け継がれている卵型の黒漆塗りの無地軍配も所持しています。この軍配は、「黒は何にも染まらない」という意味が込められており、公平な心で裁くという行司の決意を表しています。

幕下格時代に結婚した妻は、当時の春日野親方(横綱・栃錦)の養女です。

脚注



参考文献:「相撲」編集部『知れば知るほど行司・呼出し・床山』2019年5月15日発行、ベースボール・マガジン社 ISBN 978-4-583-11204-6
外部リンク:木村 庄太郎 - 日本相撲協会

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