式守錦之助 (7代)

7代式守錦之助の生涯と業績

7代式守錦之助（しきもり きんのすけ）は、大相撲の歴史に名を刻む元三役格行司であり、1926年12月7日、北海道で生まれました。彼の本名は浦本守です。父親は旭川市の市会議員で、幼少期から相撲に親しみを持って育ちました。

彼は、初めは呼出としての道を志しましたが、1941年の旭川市での巡業を機に浦風部屋に入門し、その後行司に転向します。彼の師匠は5代式守勘太夫であり、1943年1月に「式守守」の名前で初めて土俵に立ち、その後、いくつかの名前を経て、1962年には7代式守錦之助という名跡を襲名しました。

1958年7月場所で十両格に昇格し、1974年1月場所には幕内格にも到達します。彼は特に1990年1月に63歳で三役格に昇格するなど、長いキャリアを通じて多くの重要な取組を裁きました。名勝負としては、貴花田対寺尾戦などが挙げられます。

しかし彼のキャリアの中で、入門年齢がやや遅れたこと、また当時上位に高い実力の行司が多く在籍していたことから、出世はままならず、三役格を任されるのは1990年になるまで待たねばなりませんでした。1991年11月場所を最後に、彼は30年にわたる行司人生を終え、停年退職を迎えました。式守錦之助名義の行司としては、唯一三役格に昇格した行司であり、彼の退職によって大正生まれの相撲協会員全員が引退することになりました。

彼の教え子である行司や多くのファンから愛された彼は、特にその独特なダミ声で知られていました。彼は声量は乏しいものの、敏捷性に富み、正確な裁きで土俵を盛り上げました。特に昭和末期から平成初期にかけての取組では、その動きと表現力で観客を惹きつけました。

印象的だったのは1988年5月場所の霧島対水戸泉戦で、3回の取り直しの後、4回目で決着がついた試合を裁いたことです。このように、彼の現役時代は多くの名場面で彩られ、三役格時代には貴花田や曙といった大力士の取組を多く担当しました。

7代式守錦之助は1995年6月18日、68歳で肝臓癌によってこの世を去りました。彼の存在は大相撲界において忘れられないものとなり、行司としての業績は今も語り継がれています。

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