弓削町 (愛媛県)

愛媛県弓削町：瀬戸内海の島嶼、その歴史と合併の軌跡

弓削町（ゆげちょう）は、かつて愛媛県の東予地方に位置し、越智郡に属していた町です。瀬戸内海のほぼ中央、芸予諸島に点在する弓削島、佐島、豊島、百貫島の4つの島から構成される離島の町でした。2004年、生名村、岩城村、魚島村との合併により上島町となり、その自治体としての歴史を閉じました。

地理的特徴

弓削町は、広島県因島と狭い海峡を隔てて位置しており、経済圏としては因島との結びつきが強い地域でした。離島であるため、他の市町村とは陸地で接していません。

歴史

弓削町の歴史は、各島々の歴史を統合したものです。ここでは、行政としての弓削町の歴史に焦点を当てて解説します。

1889年（明治22年）12月15日 - 町村制の施行により、上弓削村、下弓削村、佐島村、魚島村が合併し、弓削村が成立しました。
1895年（明治28年）9月12日 - 弓削村から魚島村が分離しました。
1953年（昭和28年）1月1日 - 弓削村が町制を施行し、弓削町となりました。
2004年（平成16年）10月1日 - 生名村、岩城村、魚島村と合併し、上島町が誕生しました。

合併の経緯

平成の大合併の時代、弓削町を含む上島諸島の4町村は、広島県因島市との県境を越えた合併を模索しました。しかし、愛媛県が示した合併試案では、弓削町を含む越智郡の全16町村が今治市に合併する案とともに、生名村、岩城村、魚島村と合併する副案が示されました。その後、「上島地区合併研究会」が発足し、上島4町村での合併を想定した調査研究が進められました。

住民説明会やアンケートの結果、合併が必要であり、組み合わせとしては上島4町村の枠組みを支持する意見が多くを占めました。2002年2月には、4町村での合併の方向性が確認され、合併協議会が立ち上げられることとなりました。

合併協議での検討事項

合併協議では、新町の名称や庁舎の位置などが検討されました。新町名は「上島」に決定しましたが、庁舎の位置については意見が分かれました。最終的には、管理・事務局部門を置く総合支所を弓削町に置くことで合意しました。

町村議会の定数については、弓削7、生名4、岩城5、魚島2となりました。

2004年2月26日、合併協定が調印され、各町村議会での議決を経て、合併が実現しました。

行政

弓削町役場は弓削島にあり、現在の上島町役場となっています。この庁舎は、上島町を構成する4町村の庁舎の中では2番目に古いものでした。

町営事業

弓削町は、CATVを設置・運営していました。第三セクターは有していません。

地域指定・地域おこし

弓削町は、離島振興法の指定を受けていました。豊島は昭和32年に、弓削島・佐島は昭和36年に指定されています。

社会

教育

高等専門学校：弓削商船高等専門学校
高等学校：愛媛県立弓削高等学校
中学校：弓削町立弓削中学校
小学校：弓削町立弓削小学校、弓削町立佐島小学校（閉校）

弓削町は、上島町の合併によりその名を変えましたが、瀬戸内海の島嶼としての歴史と文化は今も息づいています。

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