弦巻川

弦巻川（つるまきがわ）

弦巻川は、かつて東京都の豊島区と文京区の境界付近を流れていた河川です。その歴史は古く、地域の人々の生活に深く関わっていましたが、昭和7年（1932年）に北豊島郡高田町によって暗渠化工事が行われ、現在ではその流路は完全に失われています。しかし、新宿区の早稲田鶴巻町など、地名の一部にその名前が残されており、かつての川の存在を今に伝えています。

流域

弦巻川の源流は、豊島区立元池袋史跡公園の西側に隣接する池袋デュープレックスタワーの敷地内にあった丸池とされています。そこから、ホテルメトロポリタン駐車場南西側、オリナスふくろうの杜（旧雑司が谷小学校）南側を通り、法明寺の本堂と鬼子母神堂の間、コープとうきょう南側、日本女子大学体育館北側、本浄寺南側、護国寺西交差点、筑波大学附属視覚特別支援学校東側、講談社の西側、目白坂下南交差点の西側を経由し、江戸川橋の西側で神田川に合流していました。

特筆すべきは、かつて弦巻川は護国寺の真南まで流れ、そこで水窪川と合流していたという点です。その後、南東に流れを変え、江戸川橋付近で神田川へと注いでいました。しかし、天和元年（1681年）に護国寺が建立される際、その参道（現在の音羽通り）を設けるために、弦巻川と水窪川の流路が変更されました。この工事によって、弦巻川は参道の西側を、水窪川は参道の東側を流れるようになったとされています。

暗渠化とその後

暗渠化された弦巻川の流路跡は、現在では下水道雑司ヶ谷幹線として活用されています。都電荒川線より東側では、文京区目白台と豊島区雑司が谷の区界を形成していたため、その痕跡は都市構造にも影響を与えています。

水害事故

2008年8月5日には、豊島区雑司が谷の弦巻通りで、弦巻川を転用した下水道の工事中に豪雨が発生し、増水によって作業員5名が亡くなるという痛ましい事故が起きました。この事故は、都市化が進んだ地域における水害のリスクと、地下に眠る河川の存在を改めて人々に意識させる出来事となりました。

関連項目

日本の廃河川一覧

外部リンク

東京の水 2005 Revisited

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