張定璠

張定璠（ちょう ていはん）

張定璠（1891年 - 1944年）は、中華民国において軍人として顕著な業績を残した人物です。彼は特に北伐の期間中に活躍し、その軍事的能力で知られています。字は伯璇であり、彼の生涯は中国の近代史において重要な時代と密接に関連しています。

早期の活動

張定璠は、江西省で陸軍測絵学校を卒業後、1911年の辛亥革命に参戦しました。彼は決死隊に加わり、その後、武昌陸軍予備学校を経て1914年に保定陸軍軍官学校に入学しました。1916年には入校後直ちに、江西軍の第4軍に配属され、1918年には孫伝芳との激しい戦闘で軍功を挙げ、同軍の参謀に昇進します。

その後は雲南陸軍講武学校で教官となり、さらに広東軍に移り第1路司令部の参謀を務めました。このように、張定璠はその若き日から様々な軍事任務を担い、確実にキャリアを築いていったのです。

北伐への参加

1922年、張は北伐に参加し、参謀長兼第7団団長に任命されます。福建省に進攻し、李厚基を撃破する一連の戦勝により、広西第1師の師長に昇進しました。1925年には黄埔軍官学校の弁公庁主任に抜擢され、1926年の北伐開始時には国民革命軍総司令部の参謀処処長に任命されました。彼はその後、南昌を攻略し、江西省政治委員兼全省警務処処長などの重要職を兼任しました。

1927年、北伐軍の指揮官である白崇禧の下で参謀長を務め、上海の占領後には淞滬衛戍総司令部の参謀長及び第13軍の軍長に昇進しました。この時期、張定璠は上海特別市市長も兼任するなど、其の影響力は増す一方でした。北伐を〝完成させた後も、彼は多岐にわたる職務を引き受け、重要な軍の再編成や地方行政に関与しました。

政治活動と日中戦争

1931年には中国国民党の中央委員候補に選出され、さらに1935年には党中央委員候補及び中央政治委員会の委員に選ばれました。日中戦争が勃発すると、軍事委員会第1部の副部長に任命され、その後も多くの重要な役職を歴任します。1938年には軍政部常務次長兼撫恤委員会の副主任委員となり、戦場での党政委員会のメンバーとしても活動しました。

その後、1939年には中将の階級を与えられ、実務においても指導的役割を果たしました。しかし、戦争の終息が近づくころ、彼は自身の健康問題に直面し、膀胱癌の悪化を受けてアメリカでの治療を求めることとなります。

最後の時

1944年12月12日、張定璠はフランス領モロッコのカサブランカで逝去しました。享年は54です。彼の死後、1945年にはその業績を称えて陸軍上将位が追贈されました。張定璠の生涯は、軍人としての功績のみならず、国家の歴史における重要な足跡を残しています。彼の貢献は、近代中国の軍事や政治の発展に大きな影響を与えました。

参考文献

• - 徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』
• - 劉国銘主編『中国国民党百年人物全書』
• - 劉寿林ほか編『民国職官年表』

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