張皇后 (嘉靖帝)

継后張氏：嘉靖帝に翻弄された悲劇の皇后

継后張氏（けいこう ちょうし）は、明朝第11代皇帝・嘉靖帝の廃后であり、その生涯は宮廷の権力闘争と女性の悲哀を色濃く映し出しています。名は七姐（しちしゃ）といい、衛輝府新郷県の出身です。

生い立ちと入宮

生員の張楫（ちょうしゅう）と薛氏（せつし）の娘として生まれた張氏は、幼少の頃から礼儀を重んじる聡明な女性でした。嘉靖元年（1522年）、陳氏（後の孝烈皇后）と文氏（後の恭妃）と共に選抜され、後宮に入り、順妃（じゅんひ）の位を与えられました。父の張楫は、この功績により正四品錦衣衛帯俸指揮僉事に任じられています。

皇后としての地位と失脚

嘉靖7年（1528年）10月、陳皇后が流産により崩御すると、嘉靖帝の母である蒋太后の推薦により、張七姐は翌月、皇后に立てられました。皇后となった張氏は、嘉靖帝の意向に従い、後宮の妃たちを率いて「女訓」を学び、内向的で慎ましやかな振る舞いで皇帝に仕えました。しかし、嘉靖帝との関係は良好とは言えず、嘉靖13年（1534年）正月6日、些細なことから皇帝の怒りを買い、鞭打ちの罰を受けた上に、皇后の地位を剥奪され、冷宮（らんごん）に幽閉されることとなりました。

悲劇的な最期

冷宮での幽閉生活は、張氏の心身を蝕みました。次第に健康を害し、精神的にも追い詰められていった彼女は、誰にも看取られることなく息を引き取ったと伝えられています。享年は不明ですが、30代であったと考えられています。

没後、張氏の葬儀は、かつて廃后となった恭譲皇后胡善祥（宣徳帝の廃后）の格式で執り行われました。諡号は贈られず、単に継后と称されるのみでした。彼女の遺体は金山に葬られています。

継后張氏の生涯は、嘉靖帝の気まぐれな性格と、宮廷内での女性の立場が極めて不安定であったことを示しています。聡明で礼儀正しい女性であった彼女が、宮廷の権力闘争に翻弄され、悲劇的な最期を迎えたことは、歴史に深く刻まれるべき教訓と言えるでしょう。

参考資料

『明世宗実録』
『宛署雑記』

この文章は、継后張氏の生涯を簡潔にまとめ、その悲劇的な運命を強調することで、読者に強い印象を与えることを目的としています。また、参考文献を明記することで、史実に基づいた記述であることを示しています。

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