張経武

張経武（ちょう けいぶ、ヂャン・ジンウー、1906年9月3日 - 1971年10月27日）は、中国の軍人であり、政治家です。彼は湖南省炎陵の出身で、その生涯は激動の中国現代史と深く結びついていました。彼は当初、国民党軍に所属していましたが、後に中国共産党に入党し、紅軍、八路軍、そして中国人民解放軍の幹部として活躍しました。

初期の経歴

張経武は湖南省立第三師範学校を卒業後、1924年に国民軍の滬案後援建国軍官学校に入学しました。卒業後は国民党湖北警備軍に加わり、参謀、小隊長、中隊長、副大隊長といった役職を歴任しました。1930年春には、河南樊鍾秀部幹部学校の大隊長に就任しています。しかし、この時期に彼は共産主義思想に共鳴し、同年4月に中国共産党に入党しました。

中国共産党への転身

共産党入党後、張経武は兵士の運用活動に従事し、翌年には幹部教育団の大隊長に任命されました。中原大戦後の1931年冬、彼は国民革命軍を離脱し、中共中央軍事部の紹介を受けて中央革命根拠地に到着しました。1932年には瑞金中央軍事政治学校第3隊の隊長となり、同年6月には軍事団の団長に昇進しました。

紅軍での活躍

その後、張経武は紅軍内で重要な役職を歴任しました。1933年2月には紅軍学校政治営の営長、同年夏には軍委直轄第3師の師長に任命されています。1934年には紅第5軍団第14師の師長兼広昌基地司令員となり、同年夏には中央革命軍委第5局（訓練局）の副局長に就任しました。さらに、7月には会昌教導団団長、9月には教導師師長を歴任しました。彼は第四次、第五次反囲剿作戦、そして長征にも参加し、その軍事的な手腕を発揮しました。長征中には軍委第2野戦縦隊の参謀長、軍委第2科の科長、第3縦隊の参謀長などを歴任しました。

日中戦争と国共内戦

日中戦争が始まると、張経武は八路軍山東縦隊の指揮官として戦いました。1942年には陝甘寧晋綏聯防軍の参謀長、1945年には晋綏野戦軍の参謀長に就任しています。国共内戦期には、晋綏軍区の参謀長、陝甘寧晋綏聯防軍の参謀長、西北軍区の参謀長などを務め、共産党軍の勝利に貢献しました。

中華人民共和国成立後

中華人民共和国成立後、張経武は1950年2月に第2野戦軍西南軍区の参謀長に、同年5月には中国人民解放軍人民武装部長に任命されました。1951年7月には、チベット軍事、民事行政官兼弁務官として任命され、ヤトゥンに到着しました。彼はダライ・ラマにラサへの帰還を要請するなど、チベットにおける中国政府の政策推進に尽力しました。

悲劇的な最期

しかし、文化大革命の混乱の中で、張経武は賀竜事件に連座して秦城監獄に収監され、拷問を受け衰弱しました。その後、北京衛戍区警衛第二師病院に運ばれましたが、1971年10月27日に「病死」と発表されました。彼の死は、文化大革命の悲劇を象徴する出来事の一つとして記憶されています。

出典

王健英 (2000). 中国紅軍人物志. 広東人民出版社. ISBN 7-218-03199-4
军事科学院军事图书馆 編 (1990). 中国人民解放军组织沿革和各级领导成员名录. 军事科学出版社. ISBN 7-80021-271-8

関連事項

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* 孫志遠

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